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戦艦コロラド   
         
         
   
         
 コロラド級戦艦「コロラド」、「メリーランド」、「ウェストバージニア」、「ワシントン」の4隻は1917年のアメリカ海軍整備計画において建造予定された戦艦でした。当初、第一次大戦後の1922年ワシントン軍縮条約では既に就役していた戦艦メリーランド以外はすべて建造中止となるはずでしたが軍縮条約会議の最中、日本海軍は戦艦長門型の2番艦「陸奥」の建造を強く主張、それによりアメリカ海軍は「コロラド」、「ウェストバージニア」の建造を認められ「ワシントン」のみ建造中止とされます。
 さてこのコロラド級戦艦3隻は主砲を当時最大級の艦載砲である40.6cm砲として8門装備、同様に日本海軍の長門、陸奥、イギリス海軍の戦艦ネルソン、ロドニー、なども40cmクラスの砲を主砲としている事からそれら7隻の戦艦はビッグセブンと称されました。 
 

 
         
戦艦コロラドの規模、装甲、機関   
         
   
(1932年戦艦コロラド)   
         
 戦艦コロラドの規模は基準排水量32500t、全長190.2m、最大幅29.7mで主砲40、6cm砲8門装備しながらワシントン軍縮条約の制限の規模35000t 内におさえられています。  
   
 戦艦コロラドの最大出力は29000shp、最大速力21ノットとライバルの長門より劣りますがゼネラルエレクトニック社が独自開発したターボ発電推進機関(ターボエレトニック機関)を搭載(戦艦ニューメキシコからの継続)する事で機関部の簡素化に成功しています、このターボ発電推進機関は蒸気タービンで発電された電力によりモーター推進する機関でタービン出力をセーブするギアボックスなどの制御装置を省略し機関部を小型化できる利点があります。   
   
 装甲厚は弦側水線部で最大343mm、甲板部で最大89mm、砲塔部前面は457mmと前級戦艦テネシーと略同じです、これは戦艦コロラドが戦艦テネシーの改良型として計画された事によるものです。   
   

 
         
主砲45口径40.6cm砲   
         
   
(艦首甲板上に配置された45口径40.6cm連装砲塔2基)   (艦尾甲板上に配置された45口径40.6cm連装砲塔2基)  
         
 コロラド級の主砲は45口径40.6cm砲8門を連装砲塔に収め艦首と艦尾甲板上に2基づつ配備されています、当初の計画では前級テネシー同様に35.6cm三連装砲塔4基(計12門)搭載する予定でしたが41cm砲8門装備した長門の出現により40.6cm連装砲塔4基に計画変更されました、この45口径40.6cm砲ですが最大射程31000km、毎分1.5発の射撃が可能で距離14000mで370mmの装甲が貫通できる優れものでした。   
   
(左舷側に向けられた8門の40.6cm砲)   
         
 戦艦コロラドは主砲をはじめ戦艦長門を意識して建造された箇所が所々に見られます、それだけ長門の登場が各国の戦艦建造へ大きな影響を与えたと言えるのでしょう、しかしワシントン軍縮条約以後各国の戦艦、巡洋艦建造数は大幅制限され退役艦の代替のみ建造を認められる事となります、その間に海戦においての主力は戦艦から航空母艦へ移り航空機の時代を向かえました、戦艦長門型、コロラド級、ネルソン級は大艦巨砲時代の終盤に建造された傑作艦と言えるでしょう。   

 
         
副砲51口径12.7cm砲   
         
   
(左舷甲板楼側面の12.7cm砲5門と甲板楼上の1門)   
         
 副砲は完成当時に51口径12.7cm砲を甲板楼側面放射状に10門と甲板楼上部に艦首へ向けられ2門の計12門配備されていました、甲板楼側面の砲は砲郭に収められ甲板楼上の物は露天配備です、この51口径12.7cm砲は戦艦フロリダ、ペンシルベニア、テネシーと同様の砲ですが発射速度が毎分8発と強化されています。
 更に対空兵装として76.2cm砲4門就役時に装備されていました、対空機銃などは後年追加されています。 
 

 
         
戦艦コロラドの艦歴   
         
 1923年8月戦艦コロラドは就役します、起工された時点で既に第一次大戦は終結し艦隊演習や記念式典などに参加し平和な日々を過ごしていました、1941年1月からはハワイ真珠湾を母港として艦隊演習に参加、6月にはオーバーホールと近代改装の為に真珠湾を離れます、この事がコロラドの運命を大きく分けるのです、コロラドの改装中に日本軍は真珠湾攻撃を決行、姉妹艦のメリーランド、ウェストバージニアは大破損傷、コロラドは難を免れたのです、その後コロラドはフィジー、ニューヘブリディーズ諸島で日本海軍の監視に従事、1943年10月以降はタラワ諸島、マーシャル諸島で上陸支援を行い1944年6月からはサイパン、テニアン、グアム島の上陸作戦に加わっています、テニアン島では22発の直撃弾を受けながらも火力支援を続行した言います。11月27日レイテ湾においてコロラドは日本軍の隼戦闘機2機に特攻され損傷しますがこの時もフィリピンのミンドロ島への砲撃を決行しています。これらの活躍によりコロラドは太平洋戦争中に7つの従軍星章が授与されました。
 太平洋戦争後コロラドは予備役となり1959年に除籍、解体されています。 
 

 
         
戦艦コロラド   
         
 基準排水量  32600t  兵装(就役時)    
 全長  190m  45口径40.6mm連装砲塔  4基(8門)  
 最大幅  29.7m  51口径12、7mm砲  12門  
     50口径76.2mm対空砲  4門  
 機関  タービン発電、ターボエレトニック機関4基4軸推進  53.3cm水中魚雷発射管  2基  
 最大出力  28900shp      
 最大速力  21ノット  1919年起工    
     1921年進水    
 装甲厚    1923年就役    
 弦側水線部  最大343mm  1959年退役    
 甲板部  最大89mm      
 砲塔部  前面457mm      
 バーベット  320mm      

 
         
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