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戦艦ニューヨーク級   
         
         
   
         
 1906年イギリスは30.5cm砲10門搭載したド級戦艦ドレッドノートを就役させます、遅れながらアメリカ海軍も1910年30.5cm砲8門搭載したド級戦艦サウスカロライナを就役させ、それ以後主砲30.5cm砲を数多く搭載するド級戦艦をじみちに建造、就役させていました、しかし1910年イギリスは30.5cm砲を上回る34.3cm砲10門搭載する戦艦オライオンを進水させ日本海軍においてはその更に上をいく35.6cm砲8門搭載の巡洋戦艦金剛の建造をイギリスに依頼します、時代はド級戦艦から超ド級戦艦へと移りつつあったのです、それによりアメリカも35.6cm砲10門搭載の超ド級戦艦「ニューヨーク」、「テキサス」の建造計画を立案させるのでした。   

 
         
戦艦ニューヨークの規模、装甲、機関   
         
   
 戦艦ニューヨークは全長174m、最大幅32m、基準排水量27000tで前級ワイオミング級と排水量的には略同じクラスでした。戦艦ワイオミングの火力強化型とも言える戦艦です。   
   
 装甲の厚さは絃側の水線部で254mm~356mm、甲板部で38mm~76mm、主砲塔全面で365mmと絃側の水線部の装甲がワイオミングより強化されています。  
   
 推進機関は前級ワイオミングに搭載したタービン機関では無くレシプロ機関を採用しています、これは戦艦ワイオミングで低速時に非常に燃費が悪いという問題があり従来のレシプロ機関に戻したものです、 この時期、各国のド級戦艦が標準的にタービン機関を搭載していた事を考えるとアメリカはタービン機関の開発が相当遅れていたものと考えられます。
 石炭、重油混焼ボイラー14基を燃焼させ2基の三段膨張4気筒レシプロ機関で2基のスクリューを回転させます、それにより28000hp、21ノットまで発揮できます、速力的にはタービン機関搭載戦艦に負けないスピードでした。
 

 
         
主砲45口径35.6cm砲   
         
 
(艦首45口径35.6cm連装砲塔2基)   (艦尾45口径35.6cm連装砲塔3基)   
         
 主砲の45口径35.6cm砲は連装砲塔に収められ艦首甲板上に背負い式で2基(1番、2番砲塔)、艦尾に中央砲塔(3番砲塔)が背後に向けられ1基、その後ろに背負い式で2基(4番、5番砲塔)配置され計5基10門搭載されています。 
 この35.6cm砲の最大射程は仰角15度で21000mであり18000mの距離から170mmの装甲が貫通できました、発射速度は毎分平均1.5発程です。
 
   
(左舷側に向けられた45口径35.6cm砲10門)   

 
         
ニューヨークの副砲   
         
 
(左舷艦首船体側面の51口径12.7cm砲2門)   (左舷艦尾船体側面の51口径12.7cm砲2門)  
         
 副砲は51口径12.7cm砲で此れを両舷側船体測面にケースメートに収め9門づつの計18門と4番、5番主砲塔上に1門づつ、艦尾甲板上に1門の21門装備されています、主砲塔上及び甲板上の物は高射砲兼用であったのでしょう、最大射程は約14000m、毎分6発の発射が可能でした。   
   
 (左舷船体中央側面の51口径12.7cm砲5門)  

 
         
戦艦ニューヨークの艦歴   
         
 1914年4月15日、戦艦ニューヨークが就役します、就役から3ケ月半後の7月28日に第一次世界大戦が勃発し1917年4月6日にアメリカが連合国側として参戦します、参戦後にニューヨークはイギリスの北海艦隊旗艦を務めました、此れはドイツ帝国に対する海上封鎖を目的としたものです、強力な火力を持つニューヨークはドイツ海軍から見て驚異的な存在ではありましたが構造的に問題があり荒波の多い北海では浸水などにより略活躍の場はありませんでしたが1918年10月にドイツのUボートを激突により撃沈させています。
 大戦後1925年~27年にかけてニューヨークは近代改装がなされ石炭、重油混焼ボイラーから重油専焼ボイラーへの変更、対潜防備装甲の強化、水上機カタパルトの装着(3番主砲塔上)が行われました。第2次大戦中は当初太平洋の輸送船の護衛を行い、その後アフリカ戦線においての上陸支援、輸送船護衛などに従事、ドイツ降伏後には硫黄島、沖縄への上陸支援の為の艦砲射撃に加わりました、この沖縄への艦砲射撃中にニューヨークへ特攻機が突撃、ニューヨークは損傷を被り真珠湾で修復されています。
 太平洋戦争終結後の1946年7月ニューヨークはビキニ環礁沖での原爆実験の標的とされましたが撃沈する事はありませんでした、その後8月29日に退役、1948年7月に標的艦として撃沈されています。 
 

 
         
戦艦ニューヨーク   
         
 基準排水量  27000t  兵装  
 全長  174m  45口径35.6cm連装砲塔  5基10門
 最大幅  29m  51口径12.7cm砲  21門
     53.3cm水中魚雷発射管  4基
 機関  石炭、重油混焼ボイラー14基、三段膨張式4気筒レシプロ機関2基2軸推進    
 最大速力  21ノット  1911年9月起工  
 最大出力  28100hp  1912年10月進水  
     1914年4月就役  
 装甲厚    1946年8月退役  
 絃側水線部  254mm~356mm    
 甲板部  38mm~76mm    
 甲板傾斜装甲  最大229mm    
 主砲塔全面  365mm    
 

 
         
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