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戦艦ペンシルベニア   
         
         
   
         
 戦艦ペンシルベニアは1913年10月に起工され1916年6月に就役しています。前級ネバダ級戦艦の拡張型として設計された艦で主砲として35.6砲を搭載、最大速力21ノットで当時の戦艦では標準的な仕様でした。そのペンシルベニア級の2番艦が真珠湾攻撃で撃沈され現在記念館となっている戦艦アリゾナです。   

 
         
戦艦ペンシルベニアの規模、装甲、機関   
         
   
 戦艦ペンシルベニアの基準排水量は33000t、全長が185mと前級ネバダより1割程規模が増大しています。  
   
 装甲はネバダと同じ艦の重要箇所を重点的に守る集中防御装甲を採用し弦側水線部で343mm、主甲板で76mm、主砲塔前面で457mmの装甲厚となっています。   
   
 機関は重油専用焼ボイラーを12基にカーチス式直結タービンを2基を備え本級よりスクリューを2基から4基としています、これにより最大出力31500hp、最大速力は21ノットまで発揮します。   
   

 
         
主砲45口径35.6cm砲   
         
   
(艦首側の35.6cm三連装砲塔2基)  (艦尾側の35.6cm三連装砲塔2基)   
         
 主砲もネバダ級と同じ45口径35.6cm砲を搭載しています、この砲は非常に優秀なもので距離18000mで170mm、11000mで300mmの装甲が貫通できたそうです、ペンシルベニアにおいてはその45口径35.6cm砲を全て三連装砲塔にまとめて(ネバダは連装砲塔2基、三連装砲塔2基)艦中央線上艦首甲板上に2基、艦尾甲板上に2基の合計4基12門の配置でした、それら艦首、艦尾の砲塔は背負い式配置で総体的に非常にまとまりの良い配置となっています(後年各国でこの配置が基準となる)。  
   
(左舷側に向けられた35.6cm砲12門)   
         
 この配置により主砲35.6cm砲を艦首と艦尾方向へ6門づつ弦側には12門向けられます。   

 
         
副砲51口径12.7cm砲   
         
   
(左舷船体側面に配置された12.7cm砲)   
         
 副砲は51口径12.7cm砲を両弦側の船体側面に11基づつの計22門配備しています、この砲もまたネバダ級より引き続き採用されたもので最大射程12800m、1分間に最大9発もの速射が可能でした。更にペンシルベニアには対空火器として50口径76.2mm砲4基が就役後に搭載されています。   

 
         
 ペンシルベニアの艦歴   
         
 戦艦ペンシルベニアの就役から10ヶ月後の1917年4月6日アメリカ合衆国はドイツに宣戦布告し第一次世界大戦に参戦します、しかしイギリスなどの連合国側は重油不足の為にペンシルベニアの様な重油専用ボイラー搭載の艦艇の出撃は見合わされています。第一次世界大戦終結後のワシントン条約により各国海軍保有国は主力艦の保有数の制限がなされ既存の艦の近代改装に重点をおく様になります。それに伴いペンシルベニアも1929年から改装が実施され主砲の仰角の引き上げ、籠状マストから三脚マストへの変更、艦載機カタパルトの設置、装甲強化など行われています。
 1941年12月8日の真珠湾攻撃の際にペンシルベニアは日本軍の爆撃により小破を受けます、その後、修復がなされ副砲なども最新の38口径12.7cm砲と交換されていました、修復、改装後にペンシルベニアは太平洋の戦線におもむきアッツ島、アリューシャンなどで上陸作戦で艦砲射撃による支援を行いスルガオ沖海戦では日本海軍との砲撃戦を展開しています、終戦後の1946年7月には日本海軍の戦艦長門と共にビキニ環礁での原爆実験に使用され被爆から1年半後の1948年2月に沈没します。 
 

 
         
戦艦ペンシルベニア1916年   
         
 基準排水量 33100t  兵装
 全長 185m  45口径35.6cm三連装砲塔4基(12門)
 最大幅 30m  51口径12.7cm砲22門
   50口径76,2mm高射砲4門
 機関 重油専用焼ボイラー12基カーチス式直結タービン2基4軸推進  53.3cm魚雷発射管2基
 最大速力 21ノット  
 最大出力 31500hp  1913年10月起工
   1915年3月進水
 装甲厚  1916年6月就役
 弦側水線部 最大343mm  1948年2月核実験後に沈没
 甲板部 76mm  
 砲塔部 最大457mm  
 

 
         
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