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ドイツ海軍の主力戦艦主砲はヘルゴランド級からケーニヒ級に至るまで一環して３０．５ｃｍ砲を採用していました、此れは主な海戦域が北海など視界の悪い海上での戦闘を想定し比較的敵艦隊との近い距離での砲撃戦が展開されると予想しての事でした。８０００ｍ以内の距離で敵艦の装甲が貫通できれば十分、その代わり、発射弾数、命中率の向上がはかられたのです、しかしイギリスを初めとする連合国側の主力戦艦は３４、３ｃｍ砲から３５．６ｃｍ、更にイギリス戦艦クイーンエリザベスにおいては３８．１ｃｍ砲と主砲の巨大化が進み、攻撃力でドイツ戦艦と歴然たる差がついていたのです、そこで現在建造中の「バイエルン」、「バーテン」の２隻に４５口径３８ｃｍ砲と搭載する事に決定します。
戦艦バイエルン完成
１９１６年６月、ドイツ海軍最新鋭戦艦バイエルンが完成します、その規模は基準排水量２８０００ｔ、全長１８０ｍと堂々たる大きさです、この艦の最大の特徴は当時世界基準で最大とされる４５口径３８ｃｍ砲を搭載した事です、 装甲は砲塔部が特に強化され砲塔前面は３５０ｍｍ、バーベット３５０ｍｍで前級ケーニヒ級よりも５０ｍｍ程強化されています。
主機はバーソンズ式直結タービン３基３軸を採用しています、当時ドイツは重油の入手が困難であった事から重油、石炭混焼ボイラーを採用、前年竣工した戦艦クイーンエリザベス級が重油專焼ボイラーを搭載いた事で２５ノット、７５０００ｈｐを発揮したのに対して総トン数も略同じでありながらバイエルンは２２ノット、３５０００ｈｐに留まっています。
４５口径３８ｃｍ砲
主砲の４５口径３８ｃｍ砲はクイーンエリザベスと同じで連装砲塔が艦の中央直線上に４基、前後２基づつ背負い式の配置としています。
（艦首の背負い式砲塔配置）		（艦尾の背負い式砲塔配置）
この配置により艦首に４門、艦尾に４門、弦側に全主砲８門が向けられます。
４５口径３８ｃｍ砲は仰角２０℃で射程距離２３０００ｍ、砲弾は７５０ｋｇです、クイーンエリザベスは砲弾重量が８７０ｋｇ、最大射程距離はバイエルンの３８ｃｍ砲と略同じです。バイエルンは砲弾の装填時間が早く１分間あたりの砲弾発射数が約２，５発でした。
副砲
（副砲４５口径１５．２ｃｍ砲）
副砲は前級ケーニヒと同様の４５口径１５．２ｃｍ砲が両弦側甲板側面に８門づつ計１６門配備されています、ケーニヒより計２門追加されました。更にドイツの伝統的高射砲と言うべき８８ｍｍ砲（４５口径８８ｍｍ砲）を甲板上に８門配備しています。
（８８ｍｍ高射砲）
戦艦バイエルンの戦歴
１９１３年～１９１４年の計画においてバイエルン級４隻、「バイエルン」、「バーデン」、「ザクセン」、「ヴュルテンベルグ」の建造計画が立案されます、１９１６年６月バイエルンが完成、続いてバーテンも完成しますがこの時点で既にユトランド沖海戦には間に合わず、バイエルンは第一次大戦で最も重要な海戦をのがす事となります。 　１９１７年９月ドイツ帝国は旧ロシア臨時政府領、「 サーレマー島」、「ヒーウマー島」、「ムフ島」を占領すべくアルビオン作戦を開始、バイエルンはサーレマー島（ロシア語エーゼル島）上陸部隊を支援する為にロシア軍砲台へ艦砲射撃を行いました、この時、作戦地に向かうバイエルンは機雷に触れ浸水しますが砲撃を開始、見事に上陸支援を行い作戦はドイツ側の勝利に終わっています。 　大戦終了後バイエルン、バーデンはイギリス海軍拠点スカバ・フローに係留され１９１９年６月共に自沈されました、ザクセン、ヴュルテンベルグは終戦時にまだ未完成であり造船所にて解体されています。
基準排水量	２８０００ｔ	兵装
全長	１８０ｍ	４５口径３８ｃｍ連装砲塔	４基（８門）
最大幅	３０ｍ	４５口径１５．２ｃｍ砲	１６門
		４５口径８８ｍｍ高射砲	８門
機関	バーソンズ式直結タービン３基３軸	６０ｃｍ魚雷水中魚雷発射管	５基
最大速力	２２ノット
最大出力	３５０００ｈｐ	１９１４年１月起工
		１９１５年２月進水
装甲厚		１９１６年６月就役
弦側水線部	３５０ｍｍ	１９１９年６月自沈
甲板	最大８０ｍｍ
砲塔部	最大３５０ｍｍ
バーベット部	最大３５０ｍｍ
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