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巡洋戦艦フォンデアタンはドイツ海軍がはじめて建造した巡洋戦艦です、1907年に建造計画がなされ1908年に起工、1910年には就役します、当初の計画では大型巡洋艦の名目で口径21cm砲を主砲として計12門搭載する予定でしたが仮想敵国イギリスが口径30.5cm砲を主砲とした巡洋戦艦インビンシブル級を完成させた事により当艦もそれに対抗すべく28cm砲を主砲とした巡洋戦艦に計画変更されます、しかしそもそもこの時代にドイツ海軍には巡洋戦艦と呼ばれる種別は無くこのての艦は一環して名目上大型巡洋艦として通していました、 |
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巡洋戦艦フォンデアタンの規模、装甲、機関 |
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フォンデアタンの基準排水量は19300tで前年に完成したドイツ海軍初の弩級戦艦ナッサウを上回る規模で全長もナッサウが137.7mに対してフォンデアターンは171.7mとかなり長くなっています、言わばフォンデアタンは弩級戦艦を越えた規模の巡洋戦艦でした。 |
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フォンデアタンの機関はバーソンズ式蒸気タービンを2基搭載しています、それにより最大出力43600hp、最大速力は24、8ノットまで発揮できます、しかしライバルのインビンシブル級は最大速力が25.5ノットであり当艦はそれよりいささか劣ります、また航続距離においても同様に劣ります、此れはイギリス海軍が巡洋戦艦の開発コンセプトで機動性を重要視した為に装甲厚を大幅に削減し速力、航続距離を飛躍させた事によるものです。 |
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フォンデアタンの装甲厚は弦側水線部で250mmあります、それに対してインビンシブル級は弦側水線部で152mmです、当時のイギリスとドイツでは巡洋戦艦に対する開発理念が異なるがわかります、防御力を犠牲にして機動力を重要視したイギリスと防御、機動性共に平均的に重要視したドイツでした、しかしインビンシブルが1916年のユトランド沖海戦でドイツの巡洋戦艦リュッツオウに一撃で沈められた事などから装甲を犠牲にして機動性を重視する開発理念が誤りであった事がわかります。 |
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主砲45口径28、3cm砲 |
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(艦首45口径28,3cm連装砲塔) |
(艦尾45口径28,3cm連装砲塔) |
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フォンデアターンの主砲は弩級戦艦ナッサウと同じ45口径28.3cm砲を連装砲塔に収めて4基(計8門)搭載しています、この45口径28.3cm砲は最大射程14900mあり破壊力においてはインビンシブル級に搭載されていた45口径30.5cm砲と同等であったと言います、また発射速度は毎分3発とインビンシブル級の2倍の数の砲弾が発射可能でした。 |
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(アンエシェロン砲塔配置された2番、3番砲塔) |
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これら連装砲塔は艦首、艦尾に1基づつ配置され、艦中央の2番、3番砲塔は左右互い違いに配置されたアンエシェロン式の砲塔配置でした、このアンエシェロン式砲塔配置は砲撃方向とは反対側の砲身も同一の方向へ向けられるのが特徴です(甲板構造物により角度に制限あり)、それにより艦首、艦尾方向へは計6門づつ、弦側へは計8門づつの28.3cm砲が向けられる事になります、これは28.3cm砲を12門搭載した弩級戦艦ナッサウと同等の攻撃力です。 |
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(右舷方向へ向けられた45口径28.3cm砲) |
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副砲45口径15cm砲 |
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(右舷側の45口径15cm砲5門) |
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副砲もナッサウと同じ45口径15cmを船体中央両側面に5門づつの計10門配備しています、この45口径15cmは最大射程18.900mと主砲よりも長く毎分最大7発の速射ができました。 |
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(艦首船体側面に配置された45口径88mm砲) |
(艦首船体楼側面に配置された45口径88mm砲) |
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更に水雷艇などの対小型艦艇用に45口径88mm砲が艦首と艦尾船体側面、艦首船体楼側面、艦尾船体楼上部に合計16門配備されていました。 |
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(艦尾船体楼上に配備された45口径88mm砲) |
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巡洋戦艦フォンデアタンの艦歴 |
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巡洋戦艦フォンデアタンは1908年5月に起工され1910年9月に竣工されています、1914年7月に第一次大戦が勃発するとドイツ大洋艦隊の第一偵察隊に所属し主に北海、バルト海を活動範囲としていました。1914年11月以降にはヤーマス港、スカーバラ港、ハートプール港、ウエストハートプール港などのイギリス港湾都市の攻撃に参加しています。 |
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1916年5月31日、フォンデアタンは第一次大戦での最大の海戦であるユトランド沖海戦に参戦、この時、イギリスの巡洋戦艦インディファティガブルと砲撃戦の末に同艦を撃沈、ドイツ巡洋戦艦の優位性を示します、しかしその直後に巡洋戦艦バーラム率いるイギリス第五戦艦戦隊と遭遇、38.1cm砲弾2発の直撃弾により砲塔部及び艦尾の水線部に大きな損害を受けています。 |
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ドイツが第一次大戦に敗戦するとフォンデアタンは残存した他のドイツ海軍主力艦と共にイギリス海軍の拠点スカバフローに係留された後に自沈されました(解体されたのは1934年) |
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巡洋戦艦フォンデアタン |
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基準排水量 |
19300t |
兵装 |
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全長 |
171.7m |
45口径28.3cm連装砲塔 |
4基(計8門) |
最大幅 |
26.6m |
45口径15cm砲 |
10門 |
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45口径88mm砲 |
16門 |
機関 |
石炭専用焼ボイラー18基、バーソンズ式低速タービン2基、4軸推進 |
45cm水中魚雷発射管 |
4基 |
最大速力 |
24.8ノット |
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最大出力 |
43600hp |
1908年3月起工 |
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1909年3月進水 |
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装甲厚 |
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1910年9月就役 |
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弦側水線部 |
最大250mm |
1919年自沈 |
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甲板部 |
25mm |
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甲板傾斜部 |
50mm |
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砲塔部 |
最大230mm |
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バーベット部 |
230mm |
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