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各国弩級戦艦の建造が急がれた1910年代、ドイツ海軍は前弩級艦(弩級戦艦以前の旧式艦)の引退を余儀なくされます、その旧式艦の穴埋めとされて建造されたのがケーニヒ級戦艦の4隻です、ケーニヒ級戦艦は主砲30,5cm連装砲塔を艦首から艦尾にかけての直線状に5基配置したのが特徴でこの主砲配置は同時期に建造中であったイギリス戦艦オライオンにも見られます、さてこのケーニヒ級弩級戦艦の建造はイギリス海軍の知るところとなります、当時ドイツクリップ社で35cm砲が開発された事によりイギリスは建造中のケーニヒにそれを搭載すると誤認した為、当時建造を開始したばかりの戦艦クイーンエリザベスに35cm砲を上回る38cm砲を搭載したと言います。 |
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ケーニヒの外観と機関 |
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戦艦ケーニヒの規模は基準排水量23500t、全長175m、最大幅29,5mこれは前弩級艦カイザーと比較して全体容積の割りに総重量はいささか軽くなっています、装甲に関しては前級と略同じ、機関はバーソンズ式直結タービン3基3軸を搭載し最大速力21.3ノット、最大出力43000hpを発揮します。 |
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戦艦ケーニヒの兵装 |
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ケーニヒの主砲は前級カイザーと同じ50口径30、5cm連装砲塔5基(10門)です、異なる点はカイザー級が中央の2基の砲塔を弦側に互い違いに配置した(アンェシュロン砲塔配置)に対しケーニヒは艦首から艦尾にかけて直線上一列に配置されています。 |
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(艦首の背負い式砲塔配置の主砲) |
(艦尾の背負い式砲塔配置の主砲) |
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更にカイザー級では艦尾のみ背負い式2段の砲塔配置でしたがケーニヒでは艦首部の砲塔も背負い式となっています、この配置で前方に4門、後方へ4門、側面方向に対しては10門全ての主砲が向けられます、カイザー級戦艦が前方に6門、後方へ8門、側面へは10門もの主砲が向けられる事を考えると前方と後方への攻撃力が低下したかに思われますが艦中央に配置された3番砲塔が自由に方向転換できる事から側面に対する攻撃力は増しています、当時の艦隊戦は1列に隊列を組んでの側面砲撃が主な戦闘であったのでこの配置は画期的です。 |
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(艦中央の連装砲塔) |
(側面に向けられた主砲10門) |
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副砲も前級と同じ45口径15,2cm砲を甲板上側面に14基配備、また対駆逐艦用45口径88mm砲を6門、更に対空用に88mm砲を4門追加しています、この88mm砲は非常に高性能で対空砲は元より2次大戦においては対戦車砲へと進化しています。 |
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(副砲の配置) |
(88mm高射砲) |
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ケーニヒの艦歴 |
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ケーニヒ級戦艦はケーニヒをはじめ「グローサー・クルフュルスト」、「マルクグラーフ」、「クローンブリン・ツヴュルヘルム」の4隻で共に1911年に起工し1913年に就役しています、ケーニヒが就役した1年後の1914年7月28日に第一次世界大戦へとヨーロッパ諸国は突入、カイザーは第3戦艦戦隊の旗艦を勤めユトランド沖海戦に参加しまています、ユトランド沖海戦では艦隊の先陣を切り主砲167発を発砲してイギリスの高速戦艦部隊を打ち負かしていますが主力艦同士の砲撃戦で34,3cm砲弾9発の直撃弾受け45名の死者を出します、此れは参戦したドイツ艦隊の弩級戦艦の中では最大の負傷者数です、しかしケーニヒは負傷しながらも応戦を繰り返していました。 |
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その後、1917年10月にケーニヒはバルト海のリガ湾へ進出しています、この時ロシア艦隊の前弩級艦「スラヴァ」に砲撃をかけて大破させ自沈においこみました。 |
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1918年11月11日ドイツの降伏で第一次大戦が終結すると戦艦ケーニヒは他のドイツ大洋艦隊と共にイギリスの海軍拠点スカバフローにイギリス艦隊の監視付で係留されました、その状況からドイツ海軍「ルートヴィヒ・フォン・ロイター 」提督は敵国に艦隊が接収される事を恐れ大洋艦隊の全艦艇の自沈を決意し1919年6月に実行します、イギリス海軍はそれを阻止しようとしましたが大洋艦隊の大半の艦艇は沈められ戦艦ケーニヒもその内の1隻でこの時、自沈させられています。 |
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基準排水量 |
23500t |
兵装 |
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全長 |
175.4m |
50口径30.5cm連装砲塔 |
5基(10門) |
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最大幅 |
29.5m |
45口径15.2cm砲 |
14門 |
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45口径88mm砲 |
6門 |
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機関 |
バーソンズ式直結タービン3基3軸 |
45口径88mm高射砲 |
4門 |
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最大速力 |
21ノット |
50cm水中魚雷発射管 |
5基 |
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最大出力 |
43300hp |
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1911年起工 |
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装甲厚 |
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1913年就役 |
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弦側 |
最大350mm |
1919年6月自沈 |
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甲板部 |
30mm~60mm |
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砲塔部最大 |
300mm |
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バーベット部 |
300mm |
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