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フランス海軍初の弩級戦艦クールベ が完成したのは1913年11月19日、第一次大戦の8ヶ月前の事でイギリス、ドイツ、アメリカ、日本、イタリアなどの主要海軍保有国の中で最も遅い弩級艦の完成となります、その理由は前級ダントン級戦艦6隻の建造後に計画が見送られた為です、最もダントン級戦艦は主砲30.5cm砲4門以外に強力な副砲24cm砲を12門も搭載した準弩級戦艦の位置付けられる戦艦(日本海軍では戦艦安芸、薩摩に相当する)でフランス海軍は当面ダントン級で十分ととらえたからでしょう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦艦クールベの規模、走行性能、装甲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
戦艦クールベの完成以後から1914年10月にかけて同型艦のフランス、ジャンパール、パリが完成します、フランス海軍は基本、同型の艦はあまり建造はしていませんでしたが日露の海戦で同一の主力艦で揃えた日本海軍が艦隊編制において有利であったと認識した為に前級ダントン級から主力艦の量産を重要視しています。 さてそのフランス海軍初の弩級戦艦の規模、性能当ですが大きさは基準排水量22200t、全長168m、最大幅28mで先に就役していた日本海軍の金剛より一回り小ぶりな船体で1年前に就役したイギリスの超弩級戦艦オライオンと略同等の規模です。 |
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走行性能は1番艦のクールベ、パリ、ジャンパール、フランスでそれぞれ異なります、ボイラーがクールベのみ二クローズ式、他はベルヴィール式の重油、石炭混焼缶でクールベが最大速力21ノット、パリが21.7ノット、ジャンパールが22.6ノット、フランスが23.4ノット、最大出力は28000hp~43000hpです、後年起工された順に小規模改良がなされ走行性能が向上していた事を考えるとクールベは拡張性に優れていたのでしょう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
装甲は弦側の水線部で270mm、甲板部は計112mm、主砲塔前面で320mmあります、弦側の水線部で言えば金剛型より重圧でオライオンより多少非力と言ったところでしょう、まずまずの装甲厚です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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主砲45口径30.5cm砲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(背負い式に砲塔配置された艦首45口径30.5cm連装砲塔2基) | (背負い式に砲塔配置された艦首45口径30.5cm連装砲塔2基) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主砲は従来の流れで45口径30.5cm砲、砲塔は前級まで採用されていた円筒型を配して新設計としています、それにより最大射程13500m、発射間隔は毎分最大2発を可能にしています、この30.5cm連装砲塔を船体の甲板上に前後2基づつ背負い式として甲板上船体中央両弦側に1基づつの計6基12門を配置しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(左舷船体中央の甲板上に配置された45口径30.5cm砲連装砲塔) | (艦首方向へ向けられた主砲8門) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この45口径30.5cm砲ですが既に完成していたオライオンが34.3cm砲10門。金剛が35.6cm砲8門を搭載していた事からクールベが完成した時点でこの主砲は攻撃力としては旧式でした、しかしクールベは艦首、艦尾方向へは8門、弦側へは10門もの主砲が向けられるます、ではオライオン、金剛とクールベのどちらが攻撃力に優れているか言えば実戦を見たことの無い自分にはどう判断して良いのかわかりませんが、まあオライオン、金剛でしょう(多分)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(左舷方向へ向けられた45口径30.5cm砲) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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副砲55口径13.9cm砲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(左舷船体中央側面に配置された副砲55口径13.8cm砲9門) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
副砲は55口径13,9cmを船体中央の両弦側側面に18門放射状配置、また艦尾両弦側船体側面に2門づつの計22門配備もされています、全て砲郭に収められ最大仰角で16100mまで砲弾を届かせます。発射間隔は最大6発で側面より近づく敵 駆逐艦に対して合間無く砲弾をあびせられます、しかし一説にフランス製の重砲は命中率が低くそれを補う為に砲数を増やしたとも言われています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(左舷船体側面に配置された副砲2門) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦艦クールベ級の艦歴 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クールベが完成した1913年11月から翌年の1914年10月にかけてクールベ、ジャンパール、パリ、フランスの順にクールベ級4隻が完成します。4隻は就役すると順次地中海に派遣されます、戦艦クールベの完成から8ヶ月後の1914年7月28日第一次世界大戦が勃発、同年8月クールベはアドリア海でオーストリア、ハンガリー帝国の軽巡「ツェンタ」と砲撃戦を交わし此れを撃沈、同年12月にはマルタ島沖で2番艦ジャンパールがオースリア、ハンガリー海軍のU12潜水艦の魚雷攻撃により中破(後に修復)、その後大戦を中途で降伏したロシア帝國のボルシェビキ派鎮圧の為に1919年3番艦ジャンパール、4番艦フランスが黒海の町セヴァストポリへ砲撃をかけています。 以上の様に第一次大戦でのクールベ級の主戦場は地中海近辺でした。 |
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( オーストリア、ハンガリーの軽巡「ツェンタ」を撃沈するクールベ) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大戦後の1922年4番艦フランスはキベロン湾にて座礁沈没、クールベ、ジャンパール、パリの3隻は練習艦となります。第二次大戦が勃発後の1940年フランスはドイツに降伏、クールベ、パリはイギリスのポーツマス、プリマスに入港していたのでそのまま自由フランス軍に編入されます、編入されたクールベはレーダーを搭載し対空火力を強化、イングランド港湾の防空任務に着き1944年のノルマンディー上陸作戦で上陸支援の為の防波堤として自沈されました。 一方3番艦のパリはその後自由ベルギー軍、自由ポーランド軍の練習艦として使用され(1945年除籍)2番艦ジャンパールは練習艦と成った後にオセアンと改名されフランス降伏後にドイツ軍に接収されました、接収後は連合軍の爆撃などにより使用不可と判断されドイツ軍により沈没されています。 |
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戦艦クールベ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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