近代の軍艦史 |
軍事、兵器 |
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(戦艦プロヴァンス1919) |
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第一次世界大戦の最中の1915年6月フランス海軍最初の超弩級戦艦であるプロヴァンスが完成します、他海軍保有国より一歩送れての超弩級戦艦完成となりますが主砲34cm砲10門装備した本艦は兵装、性能共にイギリス海軍の超弩級戦艦オライオン級と略同等です、フランスはこのプロヴァンス級戦艦である「プロヴァンス」、「ブルターニュ」、「ロレーヌ」の3隻を完成させる事でようやく他国に建艦競争で追いつく事ができました。 |
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プロヴァンス級戦艦の規模、装甲、機関 |
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戦艦プロヴァンスの基準排水量は23230t、全長166m、最大幅26.9mでイギリス海軍戦艦オライオンと同等、しかしプロヴァンスが完成した1915年の時点でイギリス海軍が38.1cm砲を搭載した27500tもの戦艦クイーンエリザベス、日本海軍が35.6cm砲搭載の26000t級巡洋戦艦金剛を保有していたのでプロヴァンスは完成時点で既に旧式の超弩級艦であったと言えるでしょう。 |
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装甲は前級クールベ級と同じ全体装甲を採用、弦側水線部で270mm、甲板部は三層の計115mm、砲塔前面は400mmでした、また船底部は水雷防御の為に二重底の装甲となっていました(水線下部) |
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機関は石炭専用焼ボイラー18基(ブルターニュ、ロレーヌは24基)に高速、低速で一組にしたタービンを二組搭載、それにより4基のスクリューを回転させ最大出力29000hp、最大速力20ノットまで発揮できます。 |
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主砲45口径34cm砲 |
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(艦首45口径34cm連装砲塔2基) |
(艦尾45口径34cm連装砲塔2基) |
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プロヴァンス級の主砲は前級クールベ級の45口径30.5cmから45口径34cm砲へと引き上げられています、この砲を連装砲塔に収め艦首と艦尾の2基づつを背負い式として船体甲板の中央線上一列に5基(計10門)配置しました。 |
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(船体中央の三番砲塔) |
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竣工当初この45口径34cm砲は555kgの砲弾を14500mまで届かせる事が可能でしたが後年の改装で最大仰角の変更当により575kgの砲弾で最大射程26600mまでとしています。発射間隔は毎分2発でした。 |
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(左舷方向へ向けられた主砲10門) |
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副砲55口径13.9cm砲 |
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(放射状に配置された左舷船体中央側面の55口径13.9cm砲) |
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副砲は前級と同じ55口径13.9cm砲で両弦側船体側面に11門づつの計22門配備しています、船体中央部は放射状配置です。 |
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(艦尾船体側面の55口径13.9cm砲) |
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戦艦プロヴァンスの備砲 |
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(左舷甲板上の47mm単装砲2門と7.5cm高射砲4門) |
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戦艦プロヴァンスには備砲として両弦側の甲板上に7.5cm砲を計8門(近代改装後の配備)と47mm単装砲を計4門、更に主砲塔上面などに45mm機関砲が配備されていました、対空及び対水雷艇用の装備です。 |
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(三番砲塔上面の45mm機関砲) |
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プロヴァンス級戦艦3隻の艦歴 |
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第一次対戦中の1915年6月、一番艦のプロヴァンスが完成、続いて同年9月には2番艦のブルターニュ、翌年7月には3番艦のロレーヌが完成しています、就役後3隻は共に地中海へ派遣され船団護衛とうに従事しますがあまり大きな戦闘には参加せずに終戦をむかえています、終戦後のワシントン海軍軍縮条約により次級の戦艦ノルマンディー級が建造中止となり当面プロヴァンス級3隻がフランス海軍の主力艦として位置づけられる事となりました、また大戦後には4回に及ぶ近代改装がなされ最大速力が23、7ノットまで引き上げられ主砲の仰角変更、7.5cm高射砲の配備(プロヴァンスとブルターニュ)も行われています。
第二次大戦が勃発するとプロヴァンスとブルターニュはイタリア海軍への備えとしてアルジェへ、ロレーヌはアレキサンドリアへ派遣されています、しかしフランスが早々にドイツへ降伏、フランスは主力戦艦を植民地へ退避させます、しかしそれら主力艦がドイツ海軍へ接収されるのを恐れたイギリスのチャーチルは撃沈を命じます、それによりアルジェリアのメルケルケビール湾に停泊していたプロヴァンスとブルターニュは巡洋戦艦フッド率いるイギリス艦隊の砲撃を受けてプロヴァンスは座礁、ブルターニュは撃沈されました。 |
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(巡洋戦艦フッドの砲撃を受けるブルターニュ) |
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その後プロヴァンスは引き上げられフランスのトゥーロン軍港で修復されますがドイツ軍の侵攻により一旦自沈、侵攻したドイツ軍により浮上され海岸砲として使用され後にまたも自沈されています、一方アレキサンドリアに停泊していたロレーヌはイギリス海軍へ投降し自由フランス海軍へ編入されノルマンディー上陸作戦などで活躍、大戦後1953年に除籍となりました。 |
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戦艦プロヴァンス |
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基準排水量 |
23230t |
兵装 |
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全長 |
166m |
45口径34cm連装砲塔 |
5基(計10門) |
最大幅 |
26.9m |
55口径139mm砲 |
22門 |
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7,5cm高角砲 |
8門 |
機関 |
石炭専焼缶24基、低速、高速タービン2組、4軸推進 |
47mm単装砲 |
4門 |
最大速力 |
20ノット |
45mm機関砲 |
2門 |
最大出力 |
29000hp |
45cm水中魚雷発射管 |
4基 |
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装甲厚 |
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1912年5月起工 |
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1913年4月進水 |
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弦側水線部 |
270mm |
1915年6月就役 |
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甲板部 |
三層計115mm |
1942年11月自沈 |
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主砲塔前面 |
400mm |
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