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戦艦クイーンエリザベス   
         
         
   
 (戦艦クイーンエリザベス1915年)  
         
 第一次世界大戦中の1915年、ポーツスマス海軍工廠において世界最大の艦載砲である42口径38,1cm砲を8門搭載した戦艦クイーンエリザベス27000tが完成します、イギリスは1912年、世界初の34,3cm砲を搭載した超弩級戦艦オライオンを就役させていますがそれ以後、各国海軍は34,3cm砲を上回る35,6cm砲を主砲とした戦艦を序所に就役させていました、その最中、アメリカ、ドイツ、日本などの海軍力に差をつけるべくクイーンエリザベスは完成されたので。   

 
         
戦艦クイーンエリザベスの計画   
         
 
 当初戦艦クイーンエリザベスは42口径38.1cm連装砲塔は5基搭載し最大速力を25ノットとする計画で進められていましたが主砲塔5基は艦の重量、船体構造の制限により4基に減らされています、速力についてはボイラーを石炭、重油混合燃焼から重油専用燃焼にする事で25ノットまでは届かずも24ノットまで出せました、この頃ドイツ海軍が高速を誇る巡洋戦艦を多数輩出していた為に、その対抗作でありました。   
   
 クイーンエリザベスの規模は基準排水量27500t、全長195m、装甲は弦側水線部330mm、甲板76mmと当時の戦艦としてはそれなりですが、もし敵国ドイツが38,1cm砲と同等の主砲を艦に搭載した場合には十分とは言えません、更に15、2cm砲に対しても完璧な防御には成っていません、速力を重視の為に装甲の強化はなされませんでした。   

 
         
クイーンエリザベスの主砲塔の配置   
         
   
 42口径38,1cm砲はアームストロング社で開発され、その性能は871kgの砲弾を最大23000mまで届かせられます、13500mの距離で305mm、18000mで279mmの装甲を貫通できたそうです。クイーンエリザベスはその38.1砲を連装砲塔に収め艦首から艦尾にかけて船体中央直線状に4基配備されています。   
   
(艦首、背負い式砲塔配置)   
         
 艦首及び艦尾の主砲は背負い式とされ艦前後に4門づつの主砲がむけられます。   
   
(艦尾の背負い式砲塔配置)   
         
 弦側には艦の全主砲8門を向ける事ができます、起工時、前級アイアンデュークより主砲が2門削減されている事から時間あたりの発射砲弾数が少なくなると懸念されていましたが、この42口径38.1cm砲は1分間に2発もの砲弾が装填できて(アイアンデュークは1.5発)、アイアンデュークを上回る発射数を可能としました。  
 

 
         
15,2cm副砲   
         
   
(甲板側面に配置された副砲6門)  (艦尾副砲跡)   
         
 対駆逐艦用の45口径15.2cm副砲を甲板両側面に6門づつ、他に4門の合計16門配置されています、最初の計画では副砲を艦尾船体両側面に2門づつ計4門配置する予定でしたが、高波に際して砲が波をかぶり使えなくなる事から撤去されています、上記CGの艦尾2箇所の窪みがその跡です、その後それら4門の砲が何処へ移転されたのかは不明です。   

 
         
クイーンエリザベスの艦歴   
         
 戦艦クイーンエリザベスは1915年1月に就役、同年姉妹艦である戦艦「ウォースバイト」、「バーラム」が完成、さらに翌年には同く姉妹艦の「ヴァリアント」、「マレーヤ」も完成しています、此れによりイギリス海軍は5隻もの高速戦艦を手に入れた事になります。
 クイーンエリザベスの就役当時には既に第一次世界大戦は勃発していた為に試験航海中にオスマン帝国攻撃を命じられ黒海の玄関口であるダーダネルス海峡に派遣されます。当初クイーンエリザベスはダーダネルス海峡突破作戦を展開しますが連合国軍はフランス海軍1隻、イギリス海軍は2隻の前弩級艦を失い敗北します、その後ダーダネルス海峡に並ぶガルポリ半島の上陸作戦に参加しますがこの作戦も失敗、連合国軍は半島から撤退しています、この上陸作戦でイギリス前弩級戦艦ゴライアスがオスマン帝国の駆逐艦に魚雷攻撃により撃沈され、同じく前弩級艦のトライアフンとマジェスティクがドイツの潜水艦が放った魚雷により撃沈されています、その為クイーンエリザベスは艦隊旗艦でありながら一時退去せざるおえない状況でした。その後のユトランド沖海戦にはドック入りしていた為に参戦していません。
 大戦後クイーンエリザベスは近代改装が行われ甲板上部構造物は新規に造りかえられます、副砲である15.2cm砲は全て撤去され45口径11.4cm高射砲、20mm機関砲など対空装備が施されます、更に偵察機用のカタパルトも艦中央に設けられています。
 2次大戦中クイーンエリザベスは地中海艦隊の一艦として活動していましたがアレクサンドリアでイタリア海軍の人間魚雷攻撃により船底が着底、応急処置後にアメリカ、ノーフォーク港で修理されています。修理完了後、太平洋艦隊に所属、インドネシアの日本軍基地攻撃に参加し1945年7月に帰国、その後終戦をむかえ終戦後の1948年に除籍、解体されています。
 

 
         
戦艦クイーンエリザベス1915年   
         
 基準排水量  27500t  兵装    
 全長  195m  42口径38,1cm連装砲塔  4基(8門)  
 最大幅  31.7m  45口径15.2cm砲  16門  
     7.62cm高射砲  6門  
 機関  バーソンズ式オールギヤードタービン4基4軸  53.3cm水中魚雷発射管  4基  
 最大速力  24ノット      
 最大出力  75000hp  1912年10月起工    
     1913年進水    
 装甲厚    1915年就役    
 弦側  最大330mm(水線部)  1948年除籍、解体    
 甲板  76mm      
 砲塔部  最大330mm      
 バーベット部  最大330mm      

 
         
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