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1912年1月イギリスは弩級戦艦を凌駕する超弩級戦艦オライオンを完成させます、それからわずか半年後の事、超弩級戦艦オライオンと同等の主砲34.3cm砲を8門搭載した巡洋戦艦ライオンを就役させます、この巡洋戦艦ライオンは超弩級艦のオライオンを上回る船体重量の26250tで(オライオンは22000t)最大速力27ノット発揮するまさに超弩級巡洋戦艦でした、イギリスは1912年~1913年にかけてライオン級巡洋戦艦(ライオン、プリンセスロイアル、クイーンメリー)の3隻を次々と完成させました。 |
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巡洋戦艦ライオンの規模、機関、装甲 |
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巡洋戦艦ライオンは全長が213.4m、最大幅26.8m、基準排水量26.250tと巨大な船体で就役当時は世界で最大規模の戦艦でした。 |
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機関は石炭、重油混焼きボイラーを42基に低速、高速タービン機関を2基づづ搭載し4基のスクリューを回転させ最大出力70000hp、最大速力を27ノットまで発揮できます(クイーンメリーは75000hp、27,5ノット)、しかしこの機関の配置には問題があり船体の構造上から弾薬庫の前後が機関室に挟まれると言う戦闘時において極めて危険な配置と成っていました、この問題点は前級インディファティガブルにも見られました。 |
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装甲は弦側の水線部で229mm、甲板部で25mm~64mm、主砲塔前面で229mmと弦側水線部と主砲塔前面が前級インディファティガブルより強化されています、しかし重要な弾薬庫側面は127mm~152mmと薄い装甲です、これは口径28cm砲までの直撃を想定したものでした(実際は28cm砲弾も貫通している)。薄い装甲と危険度の高い機関室、弾薬庫の配置、此れによりユトランド沖海戦で3番艦のクイーンメリーに悲劇が起こるのです。 |
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主砲45口径34.3cm砲 |
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(背負い式に砲塔配置された34.3cm連装砲塔2基) |
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ライオンの主砲は前級より攻撃力を向上させ45口径34.3cm砲8門を連装砲塔に収め甲板上に直線配置しています、艦首の2基の砲塔は背負い式として艦中央部と艦尾の砲塔は後方へ向けられた配置となっています、これにより艦前方へは4門、後方へは2門、弦側へは全砲8門が向けられる事となります。 |
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(船体中央部の34.3cm連装砲塔) |
(艦尾34.3cm連装砲塔) |
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この45口径34.3cm砲は超弩級戦艦オライオンと同じ物で567kgの砲弾を21kmまで飛ばせ9400mの距離で310mmの装甲が貫通できたそうです。 |
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(左舷側へ向けられた34.3cm砲8門) |
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副砲45口径10.2cm砲 |
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(左舷艦首側の45口径10.2cm砲4門) |
(左舷艦尾側の45口径10.2cm砲4門) |
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副砲は1913年型の45口径10.2cm砲を甲板上構造物両側面に8づつの計16門搭載しています、この45口径10.2cm砲は重さ14,6kgの砲弾を12660mまで飛ばせました、更に飛行船などからの爆撃を考慮し40口径76.2mm高角砲も追加搭載されています。 |
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第一次大戦においてのライオン級3隻 |
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1912年6月巡洋戦艦ライオンが就役、同年11月にプリンスロイアル、翌年3月にはクイーンメリーが就役します、就役後3艦ともに第一巡洋戦艦戦隊へ所属、後にグランドフリート編入されています。第一次世界大戦勃発後の1914年8月28日に3艦はヘロゴラントバイト海戦に参戦、この海戦でライオンは敵の軽巡2隻を撃沈します。 |
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(ドッガーバンク海戦でドイツ巡洋戦艦サイドリッツに直撃弾をあたえるライオン) |
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1915年1月のドッガーバンク海戦にはライオンとプリンスロイアルが参戦、この時ライオンはドイツの装甲巡洋艦ブリュッヒャー、巡洋戦艦デアフリンガーに1発づつ、巡洋戦艦サイドリッツに2発の命中弾をあたえますが自らも主砲弾4発を受けて右舷タービンが停止、他艦に曳航されながら帰還しています。 |
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(ドッガーバンク海戦で主砲弾の直撃を受けるライオン) |
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1916年5月31日のユトランド沖海戦はライオン、プリンスロイアル、クイーンメリー3艦共に参戦、この海戦でライオン、プリンスロイアルはペアを組みドイツ巡洋戦艦リュッツオウ、サイドリッツと交戦しプリンスロイアルがこれらに5発の命中弾をあたえています。 |
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(リュッツオウからの直撃弾で炎上するライオン) |
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しかしこの交戦でライオンはリュッツオウが放った主砲弾が中央の主砲塔に命中し炎上、砲塔内に海水を注入し弾薬庫への引火を防いでいます。 |
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(艦首1番、2番主砲塔の間に直撃弾を受けて吹き飛ぶクイーンメリーの主砲塔) |
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一方クイーンメリーは巡洋戦艦デアフリンガー、サイドリッツと交戦、サイドリッツに4発の命中弾をあたえましたがデアフリンガーからの主砲弾が艦首、1番、2番砲塔の中間付近に命中、更に艦中央の主砲塔にも立て続けに命中します、この直撃弾により艦首部の弾薬庫が誘爆を起こしマスト当の艦首構造物などが吹き飛びました。 |
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(炎上するクイーンメリー) |
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その後クイーンメリー船体は真っ二つに折れ曲がり海中へと沈んで行きます、悪夢が現実となったのです。 |
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(船体中央から折れ曲がるクイーンメリー) |
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巡洋戦艦ライオン |
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基準排水量 |
26250t |
兵装 |
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全長 |
213m |
45口径34.3cm連装砲塔 |
4基 |
最大幅 |
26.8m |
45口径10.2cm砲 |
16門 |
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40口径76.2mm高角砲 |
4門 |
機関 |
石炭、重油混焼缶42基、低速、高速タービン機関各2基4軸推進 |
53.3cm水中魚雷発射管 |
2基 |
最大速力 |
27ノット |
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最大出力 |
70000hp |
1909年11月起工 |
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1910年8月進水 |
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装甲厚 |
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1912年6月就役 |
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弦側水線部最大 |
229mm |
1922年5月退役 |
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甲板部 |
25mm~64mm |
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主砲塔前面 |
229mm |
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