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巡洋戦艦レナウン   
         
         
   
         
 レナウン級巡洋戦艦は20世紀初めのイギリス海軍の戦艦設計思想の象徴とも言える存在です、先に就役したイギリス海軍の主力戦艦クイーンエリザベス級及びリヴェンジ級戦艦と同等の38.1cm主砲を搭載していながら速力重視の為に8門搭載のところを6門におさえ更に装甲も大幅削減されています、それにより最大速力を31.5ノットまで引き出す事が可能となりましたがこの速力こそ最大の防御とするイギリス海軍の設計思想は巡洋戦艦レナウン建造中に崩れ去るのでした。   

 
         
巡洋戦艦レナウンの規模、装甲、機関   
         
   
 レナウンの規模は基準排水量32000t、全長242m、最大幅27、4mで速力を引き出す為に非常にスリムな船体となっています。   
   
 装甲の厚さは舷側水線部で最大152mm、甲板部で76mm、主砲搭全面で279mmと速力を引き出す為に大幅に削減されています(前級タイガーよりも薄い)、ただし弦側の水線下には水雷防御のバルジが張られていました、基本的にイギリス海軍の巡洋戦艦の装甲は薄く速力を重要視しています。   
   
 機関は42基の石炭重油混焼ボイラーで低速、高速を一組としたギヤードタービン2組を発動させ最大速力31.5ノット、最大出力はなんと十万馬力を超える112000hpまで発揮できます、当時としては世界最速の戦艦と言えるでしょう。   

 
         
主砲42口径38,1cm砲   
         
 
 (艦首42口径38.1cm連装砲搭2基)  (艦尾42口径38.1cm連装砲搭)  
         
 主砲は主力戦艦クイーンエリザベス、リヴェンジと同等の42口径38.1cm砲(レナウンは新設計)です、最大射程21702mで13502mの距離から305mmの装甲が貫通できました、これを連装砲搭に収め艦首甲板上に背負い式で2基、艦尾甲板上に1基の合計3基6門搭載しています。本来4基8門搭載可能でしたが速力重視の為に主砲搭が1基削減されています。   
   
(左舷側に向けられた6門の42口径38.1cm砲)   

 
         
副砲45口径10.2cm砲   
         
 
(左舷甲板デッキ上に配備された45口径10.2cm3連装砲郭)  (艦中央甲板上の45口径10.2cm3連装砲郭1基と露天配置砲1門)   
         
 副砲は速射性を重視して前級タイガーの45口径15.2cmから45口径10.2cm砲へ落されています、駆逐艦あいてにはこれで十分と判断されたのでしょう。これを3連装の砲郭に収め甲板上に5基15門、露天配置で2門の計17門搭載されました。  
   
(艦尾甲板上の45口径10.2cm3連装砲郭2基)   
         
 更にレナウンには高射砲として50口径7.62cm砲2基と40口径4.7cm単装砲が1基搭載されていました。   

 
         
巡洋戦艦レナウンの艦歴   
         
 巡洋戦艦レナウンは1915年1月に起工され1916年9月に就役しています、同型艦は巡洋戦艦レパルスです、さてレナウン建造中にイギリス海軍の戦艦建造思想(速力重視)を揺るがす一つの事件がおこります、それは1916年5月31日のユトランド沖海戦です、ユトランド沖海戦に参戦したイギリスの巡洋戦艦インディファディガブル、クイーンメリー、インヴィンシブルなどがドイツ大洋艦隊の砲撃により次々に撃沈されたのです、装甲が薄い故に起こった悲劇でした、この事はイギリス海軍と政府に大きな衝撃を与えます、速力重視の設計思想は間違えであったのです。
 大戦後1920年~1923年レナウンは近代改装がなされました、まずは問題視されていた装甲が強化され水上機用のカタパルト設けられ、魚雷発射管が増設されています、更にその10年後にも改装工事が行われ艦橋部が近代化がなされ副砲が11、4cm砲に変更、対空用に8連装ポムポム砲が3門配備されています。
 
   
(近代改装により配備された8連装ポムポム砲)   
         
 二次大戦が勃発するとレナウンは大西洋を主な活躍の場としてドイツ戦艦グナイゼナウに打撃を与え戦艦ビスマルクの追撃戦などにも加わっています、大戦後半には本国艦隊に所属しインド洋で日本軍に対する牽制を行い大戦後の1948年3月に除籍解体されています、レナウンは建造中から問題点はありましたが2つの大戦を経て存続した唯一の巡洋戦艦です。   

 
         
巡洋戦艦レナウン   
         
 基準排水量  32000t  兵装  
 全長  242m  42口径38,1cm連装砲搭  3基6門
 最大幅  27.4m  45口径10.5cm3連装郭  5基15門
     45口径10.5cm単装砲  2門
 機関  重油、石炭混焼缶42基、低速、高速直結タービン2組  50口径7,62cm砲  2門
 最大出力  112000hp  47mm高射砲  1門
 最大速力  31.5ノット  53.3cm水中魚雷発射管  2基
       
 装甲厚    1915年1月起工  
 弦側水線部  152mmプラス水線下にバルジ  1916年3月進水  
 甲板部  最大76mm  1916年9月就役  
 主砲搭全面  279mm  1948年3月除籍  
 バーベット  178mm    
 

 
         
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