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巡洋戦艦タイガー   
         
         
   
         
 第一次世界大戦勃発後の1914年10月イギリスは巡洋戦艦タイガーを就役させます、当初この巡洋戦艦タイガーは前級ライオンの4番艦として計画されていましたが先に建造が開始されていた日本海軍向け巡洋戦艦金剛と比較して主砲塔の配置当に遜色がある為にまったく新規に設計がなされる事となりました、その為、タイガーは金剛型の改良型とする説もありますがタイガーは同じ頃に建造されていたイギリスの戦艦アイアンデュークの巡洋戦艦バージョンです。   

 
         
巡洋戦艦タイガーの規模、機関、装甲   
         
   
 巡洋戦艦タイガーの規模は基準排水量28800t、全長214m、最大幅27.6mで同時期に建造された弩級戦艦アイアンデューク、巡洋戦艦金剛型を上回っていました、この様に当時の巡洋戦艦は速力を重視する為に機関、燃料庫など拡大させ船体規模大きくして尚且つ装甲を最小限にする傾向が見られます。  
   
 機関は石炭、重油混焼ボイラーを39基、高速、低速タービンを1基づつ一組として二組により4基のスクリューを回転させテスト時の最大出力108000hpで30ノットまで発揮できました、しかし速力は申し分ありませんが燃費が非常に悪く10ノットの速力で4650海里までしか航行できませんでした、故に遠洋航海には不向きと言えるでしょう。   
   
 装甲は弦側水線部で229mm、甲板部は弾薬庫上部で51mm、他は25mm、主砲塔前面は229mmです、弦側水線部の229mmは機関部側面のみで弾薬庫の側面などは152mmと薄い装甲でした、当時イギリス海軍では速力が最大の防御と考えられていた為に装甲を犠牲にしても艦のスピードを重視するという設計思想が定着していた様です。   

 
         
主砲45口径34.3cm砲   
         
 
 (艦首45口径34.3cm連装砲塔2基)  (艦尾45口径34.3cm連装砲塔2基)  
     
 主砲は前級ライオン級、戦艦アイアンデュークと同じ45口径34、3cm砲を連装砲塔に収め艦の甲板直線上に4基配置しています、前級ライオン級で3番砲塔は船体構造物に挟まれた位置にありましたが此れを後部へ開放する事で十分な視界が得られ尚且つ後方へ計4門を主砲が向けられる様になりました、また砲塔を新設計とした為に通常567kgの砲弾から635kgの重量弾が装填可能となります。   
   
 (右舷方向へ向けられた45口径34.3cm砲8門)  

 
         
副砲45口径15.2cm   
         
   
 (右舷船体側面に配置された45口径15.2cm砲6門)  
   
 副砲はライオン級の45口径10.2cmから45口径15.2cm砲へと強化されています、この45口径15.2cm砲を船体両側面に計12門配備、対駆逐艦装備としています。その性能は2740mの距離で5.1cmの装甲を貫通できたとそうです。更に第一次世界大戦においては飛行船などからの空爆も懸念されていた為に甲板構造物上には45口径7.62cm高射砲も配備されています。  

 
         
第一次大戦での巡洋戦艦タイガー   
         
 巡洋戦艦タイガーは第一次大戦勃発後の1914年10月に完成しています、このタイガーには姉妹艦は無く1隻のみ建造です、就役後は巡洋戦艦ライオン、プリンスロイアル、クイーンメリーの第一巡洋戦艦部隊へ所属します。タイガーはドッガーバンク海戦に参戦しましたが225発もの砲弾を発砲するも命中弾はわずか1発、その間に複数の直撃弾を受けて10名もの死傷者を出しています、この海戦でタイガーはあまり活躍できなかったようです。
 1916年5月31日のユトランド沖海戦にタイガーは前級ライオン、プリンスロイアル、クリーンメリーと共に参戦しています、この時、旗艦であったライオンが被弾損傷した為にタイガーが旗艦を勤めています、タイガーはクイーンメリーに続き巡洋戦艦モルトケ、フォンディアターンと砲撃戦を展開、双方に3発づつ直撃弾をあたえましたがタイガーも15発もの直撃弾を受けています、しかし幸い致命傷までにはいたりませんでした。 
 
   
(ユトランド沖海戦で巡洋戦艦フォンディアターンと砲撃戦を交わすタイガー)   
         
 ユトランド沖海戦後タイガーは第二次ヘリゴランドバイト海戦に参加、大戦後には砲術練習艦となり1930年のロンドン海軍軍縮条約で破棄が決定されています。   

 
         
巡洋戦艦タイガー   
         
 基準排水量  28800t  兵装  
 全長  214.6m  45口径34.3cm連装砲塔  4基
 最大幅  27,6m  45口径15.2cm砲  12門
     45口径76.2cm高射砲  2門
 機関  石炭、重油混焼缶39基、低速、高速直結タービン2組4軸推進  43口径4.7cm機関砲  4門
 最大速力  28.7ノット  53.3cm水中魚雷発射管  4基
 最大出力  85000hp    
     1912年7月起工  
 装甲厚    1913年進水  
 弦側水線部  229mm  1914年10月就役  
 甲板部  25mm~51mm  1931年退役  
 主砲塔前面  229mm    
 
         
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