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巡洋戦艦「鞍馬」と姉妹艦の「伊吹」の建造計画が立案されたのは日露戦争の最中の1905年1月30日でした、当初この2隻は戦艦では無く装甲巡洋艦として計画が進められていましたが後年戦艦に匹敵する火力と巡洋艦並みの高速性を有する事から巡洋戦艦と定められています。 |
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鞍馬の規模、機関、装甲 |
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鞍馬型の全長は137m、最大幅22.9m、基準排水14600tで鞍馬型計画当時の主力戦艦「敷島型」と略同等の規模でありこの艦を装甲巡洋艦と称するのは多少無理があるでしょう。 |
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鞍馬と伊吹は異なる推進機関を搭載しています、鞍馬は三段膨張式レシプロ機関、伊吹は直結タービンです、これは当時まだ真新しいタービン機関と従来のレシプロ機関の性能比較するためでした。
鞍馬が2基のレシプロ機関で2軸のスクリューを回転させ22500hp、21.5ノット、伊吹が2基のタービン機関で2軸のスクリューを回し24000hp、21.16ノットとタービン機関を搭載した伊吹の方が出力こそ上回りましたが速力が若干下回る結果となりました、同じ頃に建造が進められていた戦艦「安芸」にも同様のタービン機関を搭載する予定でしたがタービン機関の搬入が遅れこの「伊吹」のタービン性能試験が日本初となります。 |
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鞍馬型の装甲の厚さは絃側の水線部が最大203mm、甲板部が22mm、船体内部に斜めに張られた甲板傾斜装甲(機関部と弾薬庫をおおいかぶせた装甲で防護巡洋艦によく見られる)が76mm、主砲塔全面が178mmと砲塔部が薄いものの他の箇所は戦艦として十分な厚みがあります。 |
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主砲45口径30.5cm砲 |
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(艦首45口径30.5cm連装砲塔) |
(艦尾45口径30.5cm連装砲塔) |
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鞍馬型の主砲は前級「筑波型」から採用された45口径30.5cm砲で連想砲塔に収め艦首、艦尾の甲板上に1基づつ搭載されています、最大射程18300mで1分間に1発の発射が可能でした、ちなみに伊吹の搭載された30.5cm砲はイギリスのアームストロング社製で鞍馬はそれをコピーした国産制でした。 |
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中間砲45口径20.3cm砲 |
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(右舷側の45口径20.3cm砲) |
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鞍馬型の見るべき所は艦中央の両舷甲板部に配置された45口径20.3cm連装砲塔4基です、19世紀戦艦は蒸気機関が搭載され装甲が張られ口径30cmもの巨大砲が搭載されるなど徐々に進化をとげてきました、そして各海軍保有国が次のステップとして考案したものが主砲と副砲の中間に位置して巡洋艦並みの火力を持つ中間砲(副砲とも言える)です、中間砲の火力は主砲火力を補うもで鞍馬の20.3cm砲は1分間一門あたり2発の発射が可能でした、謂わば巡洋戦艦鞍馬は当時の戦艦と巡洋艦を一つにまとめた様な戦艦です、しかし画期的とされていた準ド級戦艦(後年そう呼ばれる)も中間砲の代わりに30.5cm砲10門搭載する事でそれ以上の火力を有する戦艦ドレッドノート(イギリス海軍)の出現により全て旧式となり中間砲を搭載する戦艦は建造されなくなりました。 |
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(右舷側に向けられた主砲4門と中間砲4門、これで日本海海戦時の戦艦1隻プラス巡洋艦1隻分の火力となります。) |
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40口径12cm砲 |
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(右舷側の40口径12cm砲7門) |
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副砲は40口径12cm砲で船体両絃側船体側面に7門づつ計14門搭載されています、最大射程は9000m、毎分最大7発の発射が可能でした。 |
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巡洋戦艦鞍馬の艦歴 |
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鞍馬は日露戦争が終結する直前の1905年8月23日に起工され1911年2月28日に竣工しました(伊吹の方が先に竣工した)、第一次世界大戦がはじまる直前に第一戦艦隊に所属し東シナ海の警備につき、大戦勃発後はマリアナ諸島、カロリン諸島占領支援に参加しています。またシベリア出兵の支援などにも加わっています。しかし1922年~23年のワシントン海軍軍縮条約で鞍馬、伊吹は破棄される事が決定し同様に戦艦香取型(香取、鹿島)、戦艦薩摩(薩摩、安芸)も廃艦される事となります、これにより帝国海軍は準ド級戦艦を全て失いました。 |
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巡洋戦艦鞍馬 |
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基準排水量 |
14600t |
兵装 |
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全長 |
137、16m |
45口径30.5cm連装砲塔 |
2基4門 |
最大幅 |
22,98m |
45口径20.3cm連装砲塔 |
4基8門 |
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40口径12cm砲 |
14門 |
機関 |
石炭重油混焼きボイラー28基三段膨張式レシプロ機関2基2軸推進 |
40口径7.62cm砲 |
4門 |
最大出力 |
22500hp |
25口径7.62cm砲 |
4門 |
最大速力 |
21、25ノット |
45.7cm水中魚雷発射管 |
3基 |
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装甲厚 |
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1905年8月起工 |
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絃側水線部 |
203mm |
1907年10月進水 |
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甲板水平部 |
22mm |
1911年2月竣工 |
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甲板傾斜装甲 |
76mm |
1923年除籍 |
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主砲塔全面 |
178mm 178mm |
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バーベット部 |
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