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ガトリング砲の構造   
         
         
   
         
 ここでは1861年にリチャード、ジョーダン、ガトリングが発明したガトリング砲の構造、性能、銃弾発射機構などについて見てみましょう、連射銃はガトリング砲の発明以前からいろいろ試作されていましたがその最大の難点は連射による銃身の過熱で銃身が変形、破損してしまう事でした、その銃身の過熱をガトリング氏は銃身を複数束ねて回転させながら一本、一本から銃弾を発射する事により銃身にかかる過熱をおさえたのです、其れにより毎分200発の連射を可能しました。  

 
         
ガトリング砲の弾薬装填から銃弾発射   
         
   
 ガトリング砲は通常6本から10本の銃身が束ねられていますが銃弾が発砲されるのはこの内の1本で銃身部が回転しながら定位置で銃弾が発射されます。
 まずはじめに弾薬が込められたマガジンをガトリング砲上部へ差し込みます、このマガジンは20発入りから40発入りとガトリング砲の機種によって異なります、19世紀末に製造された機種には数十発の弾薬が込められるドラム式のマガジンもありました、ちなみに1866年にアメリカ陸軍で正式採用されて以降は真鍮製の薬莢が使用されています。 
 
   
 マガジンを差込み後部に取付けられたクランク状のレバーを回すと銃身部が回転をはじめ銃弾が次々に発射されます、毎分600発までの連射も理論上可能でしたが弾詰まりを起すので機銃手は回転をおさえながらクランクレバーを回します、しかし戦場で敵の突撃が激しくなると機銃手があせり、つい回転を早めてよく弾詰まりを起したと云います。   
   

 
         
ガトリング砲の銃弾発射機構   
         
   
 次にガトリング砲の内部の構造を見てみましょう、ガトリング砲は銃身部が回転して一定の位置に一本の銃身がくるとマガジンから弾薬が投入されボルトが押し出されます、それにより薬莢内の火薬が炸裂して弾丸が発射されます。   
   
 使用済みと成った薬莢は銃身と共に回転しながら銃身下部より排出されます、これら一連の動作は後部のクランクバーを人力により回転させて行う為に初期のガトリング砲は手動式の機関銃でオートマチックガンではありません。   

 
         
ガトリング砲の性能   
         
   
 1866年アメリカ陸軍に採用されたガトリング砲は口径14、7mmで此れは機銃と言うより機関砲と言った方がいいでしょう、至近距離なら1cm未満の鉄板を貫通できたと考えられます、ちなみに大戦中のドイツでは口径1cmを越えるものは砲として扱っていました、その14,7mmの弾丸のガトリング砲は1200mもの射程距離があったそうです、しかし1200mも離れた標的には幾ら毎分200発の発射数でもほとんど命中しなかったと考えられます、ガトリング砲は突撃してくる敵兵を蹴散らすのに有効的な銃でした。   

 
         
19世紀の機関銃 日本に輸入された ガトリング砲  
         
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