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(英、独艦隊遭遇)
 
         
         
ドッガー・バンク海戦2   
(追撃戦)   
         
         
   
         
 イギリス巡洋戦艦戦隊の存在に気付いたヒッパー提督は南東方向へ艦隊の進路を向けさせ海軍基地のあるへリゴランド・バイトへ向けて退却しますがイギリス第一巡洋戦艦戦隊の巡洋戦艦ライオン、タイガー、プリンセス・ロイヤルの3隻は最大速力27.5ノット超える高速艦で此れを振り切れるドイツ側の艦艇は最大速力28ノットの巡洋戦艦モルトケ1隻のみでした、第一巡洋戦艦戦隊の3隻は速力の劣る英巡洋戦艦ニュージーランド、インドミタブルを後に徐々にドイツ偵察部隊(巡洋戦艦部隊)に徐々にせまり午前9時過ぎには射程圏内に迫りました。   

 
         
砲撃開始   
         
 午前9時5分、英艦隊旗艦ライオンが独艦隊後続の装甲巡洋艦ブリュッヒャーに砲撃を開始します、また英艦隊後続の巡洋戦艦ニュージーランド、インドミタブルも追いつき戦列に加わります。   
   
(独巡洋戦艦サイドリッツに砲撃をかけるライオン、タイガー)   
         
 午前9時30分過ぎ巡洋戦艦ライオンは巡洋戦艦タイガーと共同で独艦隊旗艦巡洋戦艦サイドリッツに砲撃をかけます、サイドリッツ退却しながら応戦。  
   
(退却しながら応戦するサイドリッツ)   
         
 この砲撃戦でサイドリッツは艦尾4番砲塔バーベット部にライオンの放った34.3cm砲弾が直撃し3番砲塔も引火炎上しています、その火災により159名の船員が死亡しましたが、海水を注入してなんとか難を逃れています。   
   
(4番砲塔が吹き飛ばされるサイドリッツ)   
         
 英巡洋戦艦プリンセス・ロイヤルは独巡洋戦艦デアフリンガ―対峙して砲撃をかけます。   
 
(デアフリンガ―に砲撃をかけるプリンセス・ロイヤル)  (砲撃を受けるプリンセス・ロイヤル)   
         
 一方第一巡洋戦艦隊3隻に追いついた英巡洋戦艦ニュージーランドとインドミタブルは共に独装甲巡洋艦ブリュッヒャーに砲撃を開始しました。   
 
(ブリュッヒャーに砲撃をかけるニュージーランドとインドミタブル)   (ニュージーランドとインドミタブルの集中砲火を受けるブリュッヒャー)  
         
  ブリュッヒャーはニュージーランドとインドミタブルの巡洋戦艦2隻による集中砲火を浴びる事となり酷い破損を受けて徐々に速力が低下していきます。  
   
(ライオンに砲撃をかけるデアフリイガー)  
         
 独偵察艦隊(巡洋戦艦部隊)は逃げ切る事を目的としていたので、英巡洋戦艦戦隊の先頭を進む巡洋戦艦ライオンに砲撃を集中しつつありました。  
   
(デアフリンガ―からの直撃弾を受けるライオン)   
         
 午前10時18分、デアフリイガーの放った30,5cm砲弾2発が左舷に命中し機関及び石炭庫に損傷を与えました、その為にライオンは左舷機関を止め戦線から離脱します。  
   
(戦線を離脱するライオン)   
         
 10時37分、独装甲巡洋艦ブリュッヒャーはプリンセス・ロイヤルの放った34.3cm砲弾が命中し搭載されていた主砲弾が誘爆をおこして更なる速力低下、味方艦隊から徐々に離れていきます。   
   
(34.3cm砲弾の直撃で弾薬が誘爆するブリュッヒャー)   

 
         
進路変更   
         
  午前10時50分、離脱中のライオンから敵潜水艦の潜望鏡らしき物が確認されます(実際は潜水艦ではなかった)、潜水艦による不意打ちを恐れたビーティ―提督は全艦隊に北東方向45度へ進路変更を命じました(回避命令)、また少し間をおいて敵後部攻撃命令を発します。  
   
(北東方向へ進路変更する英艦隊)   
         
     
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 しかし実際のところ独艦隊は反対方向である南東方向へ進路を変えて英艦隊を引き離していました。またライオンの信号士のミスで北東方向への進路変更の信号旗を降ろさないうちに敵後部攻撃命令の信号旗を掲げたので英各艦は戸惑いましたが丁度北東方向に大破状態の装甲巡洋艦ブリュッヒャーが居たので英艦隊はブリュッヒャーへ止めを刺すものと認識して迎撃に向かいます。   
   
 (ブリュッヒャーに集中砲火を浴びせる英巡洋戦艦戦隊)  
         
 英艦隊はブリュッヒャーに集中砲火を浴びせます、午後12時10分ブリュッヒャーは横転しながら海中へ沈みました。   
   
 (横転しながら海中へ没するブリュッヒャー)  
         
  命令が誤認されている事に気づいたビーティ―提督は「敵に接近して交戦せよ」の命令を下しますが戦線を離脱した旗艦ライオンは英艦隊から距離が離れていたので信号旗が各艦から確認できませんでした、またこの時点で独艦隊は既に英艦隊の射程圏外へと逃れていました。  

 
         
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