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イギリスは強力な45口径34.3cm主砲を10門装備した超弩級戦艦オライオンに次ぎ1912年同じ45口径34.3cm砲10門装備した戦艦キングジョージⅤ世23000tを完成、更に1914年にはKGVを上回る25000tもの戦艦アイアンデュークを就役させました、全長189m、主砲は前級と同じ34.3cm砲10門ですが副砲が前級10.2cm砲16門から15.2cm砲12門と強化されました。 | ||||
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アイアンデューク級戦艦の就役 | ||||
(1914年就役時のアイアンデューク) | ||||
戦艦アイアンデュークは1912年1月に起工され同年3月に進水、1914年3月には就役しています、また姉妹艦の「戦艦ベンボー」、「マールバラ」、「エンペラー・オブ・インディア」も同じ年に竣工しています、それら4隻は竣工後「グランド・フリート」(イギリス主力艦隊)に編入されました。 | ||||
アイアンデューク級戦艦は基準排水量25000t、全長189mと前級KGVより排水量を2000t、全長においては7.5m上回る大きさです、此れは副砲を15.2cm砲とした事により艦の重量が加算した為です、また速力が前級より0.25ノット低下、最大出力も2000hp程落ちています、更に艦の加算重量を抑える為に上甲板の装甲がKGVより3.8mm程薄くなっています。しかし総合的にアイアンデュークの兵装、装甲、速力は当時の弩級戦艦として十分なものでした。 | ||||
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主砲34.3cm砲 | ||||
アイアンデュークの主砲塔、45口径34.3cm連装砲塔はKGV級以降に新設計された改良型でオライオン級戦艦の34.3cm砲弾の567kgより12%重い635kgの砲弾を装填可能です、その砲弾を21700mまで飛ばせ、9100mの距離においては320mmの装甲を貫通できたそうです。アイアンデュークはその45口径34.3cm連装砲塔を艦首から艦尾にかけての中央直線状に5基配置されています(KGV級も同じ)。 | ||||
(艦首、背負い式砲塔配置) | (艦尾背負い式砲塔配置) | |||
艦首と艦尾の2基の連装砲塔は背負い式砲塔配置で前後に4門づつの主砲が向けられる事になります。 | ||||
(艦中央の3番砲塔) | ||||
オライオン級戦艦以降、艦中央にも1基の連装砲塔が後ろ向きに追加され弦側には全主砲10門が向けられます。 総合的にその攻撃力はオライオン級の砲弾より破壊力の優れた砲弾を発射できる事からアイアンデュークはオライオン級戦艦の対艦攻撃力を1ランク上回ったと見ていいでしょう。 |
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(弦側に向けられた主砲10門) | ||||
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強化された副砲 | ||||
アイアンデュークで最も大きな改良点は副砲です、KGVまで副砲は50口径10.2cm砲を対駆逐艦砲としていましたがアイアンデュークは45口径15.2cm砲を採用しています、駆逐艦が年々規模を拡大し性能を向上させ更に大型の魚雷が登場する事で駆逐艦からの水雷攻撃が戦艦にとって非常に脅威となります、その為、当時対駆逐艦砲としては最大の45口径15.2cm砲を両船体側面に5門づつ、左右甲側面に1門づつの計12門配備されました、この15,2cm砲は砲郭化され放射状に配置されています、1分間に6発前後発砲できる速射砲で45kgの砲弾を13300まで飛ばせます、副砲だけでも駆逐艦は元より軽巡洋艦とも互角に戦えます(軽巡の主砲は150mm前後が標準)。 | ||||
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ユトランド沖海戦で奮戦 | ||||
アイアンデューク竣工後、数ヶ月で第一次世界大戦が勃発しています、大戦下、当艦はグランドフリートの旗艦となり1916年5月31日にはユトランド沖海戦に参戦、イギリス艦隊の中央に位置しながら90発の主砲弾を発砲しドイツ戦艦ケーニヒに7発命中させています、此れによりケーニヒは多大な損害を被ります、更にアイアンデュークは駆逐艦S35撃沈、なかなかの戦果でした、また姉妹艦「マールバラ」も敵戦艦「グローサー・クールフェルスト」、巡洋艦「ビィースバーテン」に損害を与えています。 | ||||
大戦後のアイアンデュークは地中海艦隊に配属され1931年には主砲及び副砲を撤去された状態で練習艦となります(主砲、副砲は後に沿岸砲として再利用)、第2次大戦中はイギリス海軍拠点スカバフローに軍事施設として係留されていましたが大戦後に解体されました。 | ||||
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基準排水量 | 25000t | 兵装 | ||
全長 | 189m | 45口径34.3cm連装砲塔 | 5基(10門) | |
最大幅 | 27.4m | 45口径15.2cm砲 | 12門 | |
45口径7.62cm高射砲 | 2門 | |||
機関 | バーソンズ式蒸気タービン4基 | 47mm機関砲 | 4門 | |
最大速力 | 21ノット | 53.3cm水中魚雷発射管 | 4基 | |
最大出力 | 29000hp | |||
1912年1月起工 | ||||
装甲厚 | 1912年10月進水 | |||
弦側 | 102mm~305mm | 1914年3月就役 | ||
甲板 | 64mm | 1946年解体 | ||
砲塔部 | 最大279mm | |||
バーベット | 254mm | |||
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