近代の軍艦史 |
軍事、兵器 |
黄海海戦1(北洋艦隊との遭遇) |
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連合艦隊による十字砲火 |
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いよいよ決戦の開始です、17日12時30分、前方の第一遊撃隊は持ち前の速力にものを言わせ横列陣形で押し寄せる北洋艦隊の前方を一気に通過して敵艦隊の右舷方向へと回りこみます。 |
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(北洋艦隊の右舷側に回り込む第一遊撃隊、先頭は遊撃隊の旗艦吉野) |
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12時50分、連合艦隊旗艦松島が定遠(北洋艦隊旗艦)、鎮遠に向かって砲撃を開始、それと同時に他の連合艦隊本隊の各艦も砲撃を開始します。 |
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(定遠、鎮遠に砲撃をかける連合艦隊旗艦松島) |
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その5分後、敵右舷側に回り込んだ第一遊撃隊からも北洋艦隊横列陣の最右端「揚威」、「超勇」に向かって集中砲火がかけられます。 |
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(北洋艦隊の右端に砲撃をかける第一遊撃隊) |
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この北洋艦隊の正面と右舷側からの同時砲撃は北洋艦隊に対する強力な十字砲火となります。一方北洋艦隊は連合艦隊へ衝角攻撃(艦先端のラムで敵艦に激突する戦法)を仕掛けますが速力で勝る連合艦隊に取り付く事ができません。 |
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北洋艦隊の正面と右舷側から十字砲火を浴びせる連合艦隊) |
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この十字砲火により「超勇」が炎上し沈没します。 |
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(火災、炎上し沈没する超勇) |
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更に「揚威」も損傷を受けて逃走しましたが座礁して航行不能となります。 |
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(逃走する揚威) |
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連合艦隊側にも損害が出はじめます、吉野の右舷甲板に着弾、弾薬に引火し火災発生。 |
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(着弾により火災を起こす吉野) |
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また松島にも15cm砲弾が命中します。 |
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(15cm砲の命中弾を受ける松島) |
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赤城、比叡、西京丸の危機 |
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13時過ぎ、敵右舷へと回りこんだ第一遊撃隊はそのまま北洋艦隊の背後へと進みます、その後、敵の別働隊が行動を起こしたの事を確認、別働隊迎撃へと向かいました。 |
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(北洋艦隊の背後へと進む第一遊撃隊) |
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連合艦隊本隊も第一遊撃隊に続き北洋艦隊の右舷側に到達します。 |
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(北洋艦隊の右舷側に回る本隊) |
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しかしこの時、本隊で最も旧式で速力の遅いコルベット装甲艦「比叡」が最後尾に取り残されてしまいます。 |
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(取り残される比叡) |
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透かさず北洋艦隊の「定遠」、「来遠」が 比叡に衝角攻撃を仕掛けます、比叡の桜井艦長は定遠と来遠の間の強行突破を支持、比叡は敵の集中砲火を浴びながら辛うじて敵中を通り抜けました。 |
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(敵中突破を図る比叡) |
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比叡に逃げられた定遠と来遠は続け様に甲鉄艦「扶桑」に衝角攻撃を仕掛けますが扶桑は此れをかわします。 |
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(扶桑に目標を定める定遠、来遠) |
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しかし扶桑の左舷側に居た砲艦「赤城」と仮想巡洋艦 「西京丸」が北洋艦隊の追撃を受ける事になります、北洋艦隊は右舷方向へ回頭しつつ赤城、西京丸を追撃、赤城は火力の弱い西京丸を守りながら追尾をかわそうとしますが敵の砲弾を受け艦長の坂元大佐が戦死します、また一旦は敵中突破に成功した比叡も同様に追撃されます。 |
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(北洋艦隊に追撃される比叡、西京丸、赤城) |
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14時15分、西京丸より「赤城、比叡危険」との信号を受けた第一遊撃隊は左舷方向へ回頭し赤城、比叡の救助へ向かいます。 |
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(左舷へ回頭し赤城、比叡の救助に向かう第一遊撃隊) |
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14時30分、第一遊撃隊は北洋艦隊と赤城、比叡、西京丸の間に入り込み三艦を脱出させます、赤城、比叡、西京丸はなんとか戦線離脱に成功しました。この時、西京丸は舵機を破損し非常に危険な状態でした、また敵別働隊の発射した魚雷を3本もかわしています。 |
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(北洋艦隊との間に割り込み赤城、比叡、西京丸の脱出を図る第一遊撃隊) |
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再度の十字砲火、連合艦隊勝利 |
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(北洋艦隊の後方に回り込む連合艦隊の本隊) |
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15時10分、連合艦隊本隊は北洋艦隊の後方に回り込みます、更に第一遊撃隊も右舷に回頭しながら敵艦隊側面につきます、この配置により北洋艦隊に対して更なる十字砲火を仕掛けました。 |
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(連合艦隊、本隊、第一遊撃隊による二度目の十字砲火) |
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この十字砲火により北洋艦隊「定遠」、「鎮遠」、「致遠」、「靖遠」が炎上し陣形が乱れ北洋艦隊は個々にバラバラの行動を取ることになります。 |
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(火災、炎上する「定遠」、「鎮遠」、「致遠」、「靖遠」) |
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十字砲火の最中に事も有ろうに北洋艦隊の「済遠」と「広甲」が勝手に敵前逃亡をはかりました、これは前代未聞の行動で近代海戦において他に例の無い事です。広甲は逃走中に座礁し航行不能、済遠の艦長方「方伯謙」は後に斬首刑に処せれています。 |
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(海戦より逃走を図る済遠と広甲 ) |
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15時30分、戦艦鎮遠の放った30.5cm砲弾が旗艦松島の左舷側12cm砲に直撃、松島は大破しました、この時、松島の弾薬庫員である「三浦虎次郎」が重傷を負いながらも副長「向山慎吉」に(定遠はまだ沈みませんか)とたずねると向山は定遠が戦闘不能と成った事を虎次郎に伝えました、虎次郎は安堵して息耐えたと言います。 |
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(鎮遠の放った30.5cm砲弾の直撃を受ける松島) |
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指揮の乱れる北洋艦隊の中で「致遠」のみ単独で連合艦隊本隊へ突入を仕掛けました、致遠は本隊からの集中砲火を浴びて浸水、それでも致遠は第一遊撃隊最後尾の浪速に衝角攻撃を試みますが第一遊撃隊の集中砲火により撃沈されてしまいます、先の済遠と広甲のとった行動とは大違い、勇猛果敢な最後でした。 |
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(第一遊撃隊の集中砲火を受け沈没する致遠) |
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北洋艦隊は「定遠」、「鎮遠」を残して全ての艦艇は退却をはじめます、第一遊撃隊は退却する経遠の追撃に向かいました。 |
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(連合艦隊本隊からの砲撃にさらされる定遠と鎮遠) |
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定遠に続き鎮遠も戦闘不能となります、17時40分、定遠、鎮遠は旅順港へ退却を開始、これにより海戦は連合艦隊側の勝利となりました。 |
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(旅順港へ退却する、定遠、鎮遠) |
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一方、吉野率いる第一遊撃隊は経遠に追いつきました、吉野は経遠に砲撃を仕掛け17時30分これを撃沈しています、更に第一遊撃隊は残存する敵艦隊の追撃を続けましたが帰還命令により退去しました。 |
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(吉野に撃沈される経遠) |
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黄海海戦での損害 |
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連合艦隊 |
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北洋艦隊 |
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撃沈 |
経遠、致遠、超勇の3隻 |
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座礁航行不能 |
広甲、揚威の2隻 |
大破 |
松島、比叡、西京丸、赤城の4隻 |
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戦死 |
298名 |
戦死 |
700名 |
被弾数 |
131発 |
被弾数 |
700発 |
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