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      童謡(とおりゃんせ)の道筋



          


 川越城本郭東に在る天神郭の三芳野天神社は童謡(とおりゃんせ)の発祥地と云われています、この三芳野天神社は「新編武蔵風土記稿」に足立郡大宮町の氷川社(武蔵一ノ宮)を大社としているとあり川越城築城以前に既にこの地に存在し1624年(寛永元年)川越城主酒井讃岐守忠勝により社殿が造営され現在に至っています。
 「とおりゃんせ とおりゃんせ 此処は何処の細道じゃ 天神様の細道じゃ 御用の無い者通しゃせぬ 行きはよいよい帰りは怖い 怖いながらも とおりゃんせ とおりゃんせ」あまりにも有名な童謡(とおりゃんせ)がなぜ此処三芳野天神社で発祥したのか?天神郭は川越城内ですぐ隣には本郭が在り警備重視の為に一般の参拝は年数回しか認められていませんでした、その参拝も不法侵入を防ぐ為の警備の中での参拝でその帰路には街道筋の関所同様に徹底した取調べがなされていたのでこの様な歌が伝承されたのでしょう。
 主に三芳野天神社への参拝の道筋は川越城の南大手より入城し外郭へ出て田郭門をくぐり天神口へ向かいそこから一旦本郭へ出てから天神郭へと向かいます、その間城兵に監視されつづけ各虎口を通り抜けるたび取調べがなされていたのでしょう。



                                    
                             南大手

                
 
 一般の参拝者は主に此処から城内へ入ります、西大手または東の帯郭の清水口からも参拝者を入れる事はありましたが南大手を抜けた外郭には諸政務を行う役所が在り一般人の城内への入城は通常南大手と成っていました。



                                 
                            東の外郭
 

                
 
             南大手から入城すると東外郭へと出ます、此処から東方向へ進みます。



                                     
                                田郭門


     

              東の外郭から水郷沿いを東へと進むと田郭門が在り此処を通ります。



                                      
                                富士見櫓


                 

                田郭門を抜けると左側の水壕の対岸に富士見櫓が見えます。



                                    
                            水壕沿いの道筋



                 

 更に水壕沿いの道筋を東に進みます、(とおりゃんせ)の歌の文句に(此処は何処の細道じゃ)とありますがこの水壕沿いの道筋の事かもしれません?




                                 天神口


                 

 水壕沿いの道筋の先に天神口が在り此処を通り抜けます、天神口は枡形の虎口で一般参拝者はこの門前で数人づつに分けられ各グループ単位で参拝に向い入退場の人数が同じであるか枡形の内で数えられていたのでしょう。




                           本郭 


                 

  天神口を通り抜けると一旦本郭に出ます、城内の中核である本郭を通るので警備が厳しいのも理解できます。




                            天神郭(三芳野天神社)


                 

           本郭から天神郭へ入ります、この郭内に三芳野天神社が建立されています。




 (とおりゃんせ)の歌に「行きはよいよい帰りは怖い」とありますが行きも帰りと同様に警備、取締りは十分厳しかったのでしょう。 


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