近代の軍艦史 |
軍事、兵器 |
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オーストリア。ハンガリー帝国が想定した主戦場となる海域アドリア海は大小島々が多くオーストリアの戦艦は取り回しを考慮して比較的小ぶりな戦艦を建造していました、それ故に1905年に起工したエルツ・ヘルツォーク・カール級戦艦に至るまで主砲は口径24cmに留めていたのです、しかし各国の主力艦が30.5cm砲を標準主砲とする時代に24cm砲は非力でありイタリア海軍、フランス海軍と互角に戦える戦艦が必要とされ建造されたのが口径30.5cmを搭載したラデツキー、エルツヘルツォーク・フランツ・フェルディナント、ズリーニのラデツキー級3隻です、これらの艦は主砲と別に口径24cmもの大口径副砲を8門搭載している為に準弩級戦艦に位置付けられます。 |
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戦艦ラデツキーの船体、装甲、機関 |
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戦艦ラデツキー級の規模は全長137.5m、最大幅24.5m、基準排水量14508tです、同じ頃に就役した準弩級戦艦である日本海軍の戦艦安芸(20000t)、フランス海軍のダントン級(18000t)などと比較して準弩級戦艦としては比較的小ぶりな船体でした。 |
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装甲は絃側水線部で230mm、船体内部の傾斜装甲が最大48mm、甲板部が18mm、主砲塔全面が250mmあり更に機関室、弾薬庫当の重要箇所は54mmの隔壁で仕切られています、なかなかの防備と言えるでしょう。 |
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推進機関は従来の往復機関、12基の石炭、重油混焼ボイラーで三段膨張式4気筒機関2基を発動し2軸のスクリューを回転させ最大20000hp、20.5ノットを引き出します。レシプロ機関のわりにかなりの機動性能です。 |
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主砲45口径30.5cm砲 |
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(艦首45口径30.5cm連装砲塔) |
(艦尾45口径30.5cm連装砲塔) |
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主砲は今級より45口径30.5cm砲を採用、チェコスロバキア(当時オーストリア領)の名門シェコダ社で製造した砲です、最大450kgの重量弾を20000mまで飛ばす事が可能で1門あたり毎分2発の発射ができます、オーストリアは第一次大戦以前には優れた工業技術を有する国で優秀な戦艦、大砲を次々の製造していました。
この45口径30.5cm砲を連装砲塔に収め艦首と艦尾の甲板上に1基づつ配置しています。 |
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副砲45口径24cm砲 |
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(艦首45口径24cm連装砲塔2基) |
(艦首45口径24cm連装砲塔2基) |
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ラデツキー級戦艦は主砲の大型化に平行して副砲も大型化されています、主砲と同様にシェコダ社製の45口径24cm砲を連装砲塔に収め甲板上の両舷側に2基づつ搭載、これにより方絃側の攻撃力は前弩級戦艦時代(19世紀末~20世紀の初頭頃)の戦艦1隻プラス装甲巡洋艦1隻分以上となります。 |
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(右舷方向に向けられた30.5cm砲4門と24cm砲4門) |
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しかしこれら先進の攻撃に対する設計思想も1906年に就役した口径30.5cm砲10門搭載のイギリスの弩級戦艦ドレッドノートが完成する事で既に旧式となります(ドレッドノートはラデツキー竣工以前に完成) |
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ラデツキーの備砲 |
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(右舷側の47口径100mm砲) |
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対駆逐艦用に47口径100mm砲を両舷船体側面に砲郭に収められ10門づつ計20門搭載されています、また水雷艇など小型艇な接近に備え47mm、37mmの機関砲を4門づつミリタリーマスト及び主砲、副砲上部に搭載しています。 |
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戦艦ラデツキーの艦歴 |
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1910年から1911年にかけてラデツキー級3隻はラデツキー、エルツヘルツォーク・フランツ・フェルディナント、ズリーニは次々に竣工します。第一次大戦が勃発すると戦艦ラデツキーは主にアドリア海、エーゲ海などのイタリアの港湾都市、鉄道橋、フランス軍の砲台への艦砲射撃を行います、しかし数で勝る連合国海軍との艦隊決戦はさけていました。オーストリア・ハンガリー帝国が連合国に降伏するとイタリアに艦隊を接収される事拒み新たにオーストリアより分離したスロベニア、クロアチア、セルビア人国へ艦隊引き渡しを計画します、しかし連合国は承認せずラデツキー、エルツヘルツォーク・フランツ・フェルディナント、ズリーニの3隻はイタリアに接収される事となります、その後1921年にエルツヘルツォーク・フランツ・フェルディナントとズリーニが解体され1926年にはラデツキーが解体されました。 |
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戦艦ラデツキー |
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基準排水量 |
14508t |
兵装 |
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全長 |
137.5m |
45口径30.5cm連装砲塔 |
2基4門 |
最大幅 |
24,6m |
45口径24cm連装砲塔 |
4基8門 |
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47口径100mm砲 |
20門 |
機関 |
石炭、重油混焼ボイラー12基、三段膨張4気筒レシプロ機関2基2軸推進 |
47mm機関砲 |
4門 |
最大速力 |
20.5ノット |
37mm機関砲 |
4門 |
最大出力 |
20000hp |
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1907年起工 |
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装甲厚 |
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1909年7月進水 |
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絃側水線部 |
最大230mm |
1911年1月竣工 |
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船内傾斜装甲 |
48mm |
1926年解体 |
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甲板部 |
18mm |
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主砲塔全面 |
250mm |
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副砲全面 |
200mm |
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