近代の軍艦史  軍事、兵器  TOPページ  ユトランド沖海戦1(海戦に至るまで)  ユトランド沖海戦3(海戦終結)
         
         
ユトランド沖海戦2   
(海戦開始)   
         
   

 
南走戦   
         
 1916年5月31日14時過ぎイギリス巡洋戦艦部隊所属のガラディアとドイツ偵察部隊所属のエルピンクの砲撃戦によりユトランド沖海戦が開始されました、ビーティー提督率いるイギリス巡洋戦艦部隊は南東方向へ進路変更、ヒッパー提督率いる偵察部隊(巡洋戦艦を中心に編制された艦隊)は南西方向へ進路変更、双方加速しながら徐々に接近します、15時50分頃に両艦隊は砲撃を開始します。  
     
  (画像クイックで拡大)     
         
 
 (北東へ進路変更するビューティー指揮下のイギリス巡洋戦艦部隊)  (接近する両艦隊)  
     
 ビーティー提督指揮下の巡洋戦艦部隊には口径38.1cm砲8門搭載、最大速力24ノットを誇る最新鋭超弩級戦艦クイーンエリザベス級4隻(第五戦艦戦隊)が火力支援の為に随行していました、しかし第五戦艦戦隊指揮官の「サー・ヒュー・エヴァン・トーマス」は進路変更の信号を読み落したため回頭が遅れ先行する巡洋戦艦戦隊から遅れをとり当初砲撃戦に加わる事ができませんでした。   
   
(イギリス巡洋戦艦戦隊から引き離されるクイーンエリザベス級戦艦4隻)   
         
 砲撃は徐々に激しさを増します、イギリス巡洋戦艦タイガーはドイツ巡洋戦艦フォンディアターン、モルトケと砲撃戦を交わしますがモルトケからの砲弾を多数受けて大破。、   
 
(フォンディアターンと砲撃を交わすタイガー)  (タイガーに命中弾を多数与えるモルトケ)   
         
 英巡洋戦艦プリンス・ロイヤルは独巡洋戦艦デアフリンガ―の放った砲弾により艦首部砲塔が吹き飛ばされます。   
   
(炎上するプリンスロイヤル艦首砲塔)   
         
 ジェリコー提督率いる英大艦隊とシェア提督率いる独大洋艦隊は救援に向かいます、この時ジェリコーは大艦隊所属の第三巡洋戦艦戦隊を先行させ救援に向かわせました、第三巡洋戦艦戦隊はインヴィンシブル級巡洋戦艦3隻で構成され他の主力艦より速力が早く攻撃力もそれなりに備えている事から先行させたのです。   
   
(先行する第三巡洋戦艦戦隊インヴィンシブル級3隻)   
         
 16時00分、独巡洋戦艦リュッツオウはビーティー提督旗艦ライオンと交戦、ライオンの主砲塔を破壊し損傷をおわせました。ライオンはいち早く砲塔真下の弾薬庫に注水して辛うじて難を逃れています。その5分後にフォンディアターンは英巡洋戦艦インディファディガブルと砲撃戦を交わし3発の命中弾を与えます、インディファディガブルは一旦戦線離脱を試みますが直後に一斉砲撃を受けて撃沈されました。  
   
(フォンディアターンの砲撃を受けるインディファディガブル)   
         
 ヒッパー提督の偵察部隊も徐々に損傷を受け始めています、丁度インディファディガブルが撃沈された同じ頃に英巡洋戦艦クイーンメリーの放った砲弾が独巡洋戦艦サイドリッツの主砲搭を貫通し此れを破壊しました。   
   
(主砲搭を破壊されるサイドリッツ)   
         
 そのサイドリッツに損傷を与えたクイーンメリーですが16時30分、デアフリンガ―とサイドリッツの集中砲火を受けて艦首主砲搭が吹き飛ばされ弾薬庫も誘爆し船体が 二つに折れた状態で轟沈しています。  
   
(艦首主砲搭を吹き飛ばされるクイーンメリー)   
         
 此れによりイギリス艦隊は2隻もの巡洋戦艦を失います。  
   
(船体が折れ曲がり轟沈するクイーメリー)   
         
 この頃に成るとクイーンエリザベス級超弩級戦艦4隻で編制された第五戦艦戦隊が先行するビーティー提督の巡洋戦艦部隊に追いつき主砲38.1cm砲による一斉射撃を開始、フォンディアターンなどに損傷を与えています。   
   
 (38.1cm砲の直撃で損傷を受けるフォンディアターン)   
         
 形勢はヒッパー提督の偵察艦隊に不利となりましたがヒッパー提督はシェア提督の大洋艦隊主力が接近している事を知り英巡洋戦艦戦隊を大洋艦隊主力に引き寄せる為に続進します。16時30分、英軽巡洋艦サザンプトンが独大洋艦隊主力の存在を発見します、ビーティー提督は小型艦艇により偵察を開始、同時に英駆逐艦部隊がヒッパーの偵察艦隊に立ち向かいます。   
   
(ビューティー提督率いる巡洋戦艦部隊の眼前に立ちふさがるジェリコー提督指揮下の独大洋艦隊主力)   
         
  ビーティー提督は眼前の大洋艦隊主力が弩級戦艦16隻、前弩級戦艦6隻である事を知り戦力的に不利と判断、一斉回頭により北上して敵艦隊をジェリコー提督の英大艦隊まで引き寄せる事を決意します。  
   
(一斉回頭で北上するビューティー提督指揮下の巡洋戦艦部隊)   
         
 しかしクイーンエリザベス級戦艦4隻の第五戦艦戦隊司令官エヴァン提督は一斉回頭の支持を順次回頭と誤認してしまい第五戦艦戦隊最後尾の戦艦マレーヤの回頭が遅れマレーヤは敵の集中砲火を浴びてしまします。   
   
(順次回頭をする第五戦艦戦隊のクイーンエリザベス級戦艦4隻)   
         
 敵の集中砲火を浴びる戦艦マレーヤですが流石の最新鋭超弩級戦艦クイーンエリザベス級です、強固な防御に守られている為に装甲の薄い英巡洋戦艦とは異なり大洋艦隊の激しい砲撃に耐えに耐え抜き何とか先行する巡洋戦艦部隊に追従します。   
     
(敵の集中砲火を浴びる戦艦マレーヤ)   
         
     
  (画面クイックで拡大)     

 
         
 近代の軍艦史  軍事、兵器  TOPページ  ユトランド沖海戦1(海戦に至るまで)  ユトランド沖海戦3(海戦終結)